赤いお腹が魅力!日本固有種のアカハライモリの飼育方法を解説

アカハライモリは、鮮やかな赤いお腹と愛らしい姿で、家族みんなに癒しや楽しさを与えてくれる日本生まれの両生類です。

丈夫で飼いやすいことから、初めてペットを飼うご家庭にもぴったりです。この記事では、アカハライモリを迎え、楽しく安全に育てるためのポイントを、わかりやすくご紹介します。

アカハライモリってどんな生き物?

アカハライモリは本州、四国、九州など日本各地に広く住んでいる生き物です。背中は黒や茶色で、ひっくり返すとお腹が真っ赤。

体長は8cmから大きいものだと15cmほどになります。自然の中では、体に「テトロドトキシン」というフグと同じ毒を蓄えて、外敵から身を守っていますが、普通に触るぶんには問題ありません。ただし、触った後は必ず手を洗いましょう。

小さなお子さんがいるご家庭では、触った手で目や口をこすらないように声かけしてあげてください。

アカハライモリは、失ったしっぽや足を再生できる不思議な力も持っています。地域によって体の色や模様が違うのも、観察していて楽しいポイントです。

飼育環境の作り方

アカハライモリは小さな水槽でも飼えますが、30cmほどの水槽を用意すると、のびのびと過ごせます。水深は10cm前後がちょうどよく、水中だけでなく陸地スペースも作ってあげると、自然に近い環境になります。水槽にはしっかりフタをして、脱走を防ぎましょう。

底に敷く土は、できるだけ自然に近いものが良いです。細かい砂利や土を使うと、アカハライモリは安心して過ごせます。

フィルターをつける場合は、水の流れが強くなりすぎないように注意しましょう。もともと流れの少ない池や沼に住んでいるので、静かな水が好きです。

水は汚れやすいので、1〜2週間に1回は半分から全部を新しい水に替えてあげましょう。水が濁ったり臭いが気になったら、早めに掃除してあげてください。水質が悪いと皮膚病の原因になることもあるので、清潔な環境を保つことが大切です。

特別なエアーポンプも必要なく、お世話もそれほど手間がかからないので、初めてペットを飼う人にもおすすめです。うまく育てれば、なんと数十年も生きてくれることもあります。

水槽のレイアウトに隠れ家(流木や植木鉢のかけらなど)を用意すると、ストレス軽減につながり、より自然な行動を観察できます。
水は汚れやすいので、1〜2週間に1回は半分から全部を新しい水に替えてあげましょう。水が濁ったり臭いが気になったら、早めに掃除してあげてください。水質が悪いと皮膚病の原因になることもあるので、清潔な環境を保つことが大切です。

餌やりのコツ

アカハライモリは、人工環境での長期飼育が困難な種が多いですが、日本のアカハライモリやシリケンイモリは、温度の変化に強く、とてもよく食べる性質があり、飼いやすいことから人気があります。

個体数も多く、これまで特別な保護対象ではなかったため、日本だけでなく欧米でもペットとして注目されるようになりました。

餌は赤虫やブラインシュリンプ、小さなエビの仲間(スジエビ)、ミジンコなどをよく食べ、体の大きな個体ではグッピーのような小さな魚を好むこともあります。餌は毎日あげる必要はなく、数日に一度で十分です。

アカハライモリや沖縄にいるシリケンイモリは、温度の変化に強く、食欲も旺盛で、比較的丈夫な種類です。そのため、日本国内だけでなく、ヨーロッパやアメリカなどでも人気が広がっています。

餌を与えるタイミングは夜がおすすめです。アカハライモリは夜行性のため、夜間に餌を与えると食いつきが良く、自然な生活リズムが保てます。

病気の予防と健康管理

アカハライモリは丈夫ですが、水が汚れていたり、餌の与えすぎが続くと病気になることがあります。たとえば、水カビ病は水質の悪化が原因で、皮膚に白い綿のようなものがつくことがあります。

風船病やツボカビ病なども注意が必要です。体の様子をよく観察して、異常があれば早めに専門家に相談しましょう。お世話の後や掃除の後は、必ず手を洗う習慣をつけてください。

出典:Wikipedia

冬の管理と冬眠

アカハライモリは、冬になると冬眠することもできます。冬眠させる場合は、水温を10度前後に保ち、水中や湿った土の中で静かに過ごさせます。

冬眠させない場合は、水温を15度前後に保つと元気に過ごせます。冬眠中は餌を与えず、静かに見守りましょう。春になって冬眠から目覚めるときは、急に水温を上げず、数日かけてゆっくり温度を上げてください。

繁殖にチャレンジ

アカハライモリは、田んぼや池のような流れのない水辺で卵を産みます。春から初夏にかけてが繁殖期で、オスはフェロモンを使ってメスに求愛します。

オスは「ソデフリン」、メスは「アイモリン」という特別なにおいを出し合い、オスはメスの体のにおいを確認したあと、尾をふってアピールします。

メスが応じると、オスは精子のかたまり(精莢)を出し、メスがそれを体に取り込みます。卵はゼリー状の膜に包まれ、水草や葉の根元に1個ずつ産みつけられます。1回で約40個、合計で100~400個ほどになります。

卵は約3週間でかえり、エラのある赤ちゃんが生まれます。最初は足がありませんが、成長とともに前足、次に後ろ足が生え、5~6ヶ月ほどでエラがなくなり、大人の姿に近づいて陸に上がります。

この時期は乾燥にも少し強くなり、水に戻すと体が銀色に見えることもあります。陸に上がった幼体は森などで3~5年過ごし、その後また水辺に戻ります。

住む環境によって成長速度や体の大きさは異なり、標高の高い場所に住むイモリはゆっくり成長し、小柄ですが長生きする傾向があります。中には野生で23年生きた例もあります。

飼育する場合は、春から初夏にオスとメスを同じ水槽に入れ、水草を用意しておくと産卵しやすくなります。

卵を見つけたら別の容器に移すと、より多くの赤ちゃんがかえりやすくなります。孵化した赤ちゃんには、ブラインシュリンプやミジンコなど小さなエサを与えましょう。

卵からかえった幼体を育てる際は、底が浅くて上陸できるスペースをつくったタッパーなどの小さな容器が管理しやすくおすすめです。

注意したいこと

アカハライモリは毒を持っていますが、普通に飼っている分には心配ありません。触った後は必ず手を洗い、誤って目や口を触らないように注意しましょう。

この生き物は、国際的なリストで「絶滅しそうな一歩手前の動物」として登録されています。2020年にその評価が変わる前は、長いあいだ「あまり心配のいらない動物」とされていました。

オーストラリアの動物園では、赤ちゃんを育てることにも成功しています。しかし、ペットにするための捕まえすぎが心配されていて、今では「売ったり買ったりはやめたほうがいい」と言われています。

自然の多い場所では見かけることもありますが、町の中ではあまり見られなくなっています。そうした変化から、2006年には日本でも「絶滅の心配がある」としてリストに載り、捕まえることを禁止している地域も出てきました。

他の地域でも、数が減ってきているところがあります。また、逃げ出したり、飼いきれなくなって外に放したりすると、自然の生態系に悪い影響を与えることがあるので、最後まで責任を持ってお世話しましょう。

まとめ

アカハライモリは、丈夫で飼いやすく、お世話を楽しめる素晴らしいペットです。清潔な水環境を保ち、餌やりや掃除などを行うことで、長く元気な姿を見せてくれます。

アカハライモリは、うまく飼えば数十年も生きることができます。困ったことや疑問があれば、専門家に相談して、楽しいアカハライモリライフを送りましょう。最後までお読みいただきありがとうございました☺