小さな恐竜みたい!グリーンイグアナの魅力と正しい飼育方法

グリーンイグアナ(Iguana iguana)は、鮮やかな緑色の体と恐竜のような見た目が魅力の大型トカゲです。

成長すると全長180〜200cmにもなることがあり、とても長生きで賢い動物として知られています。そのため、ペットとして人気がありますが、実は飼育には広いスペースや温度・湿度の細かい管理、そしてしっかりとした知識が必要です。

この記事では、これからグリーンイグアナをお迎えしたいと考えている方に向けて、飼育の基本から注意点までを解説します。

グリーンイグアナってどんな生きもの?

グリーンイグアナは、南アメリカや中央アメリカなどの熱帯地域に住んでいる草食性のトカゲです。小さい頃は鮮やかな緑色をしていてとてもきれいですが、成長すると色が少し落ち着いて茶色っぽくなったり赤っぽくなったりすることもあります。

オスのイグアナは「クレスト(背中のとさかのような部分)」や「デューラップ(喉元のたるみ)」が発達していて、ちょっと迫力がありますね。人に慣れてくると、飼い主さんの顔を覚えてくれる子もいて、ゆっくり信頼関係を築くことで、とても仲良くなれる生きものです。

野生ではどんな暮らしをしているの?

グリーンイグアナは木の上で暮らすのが好きな「樹上性」のトカゲです。葉っぱやお花、果物などを食べて暮らしていて、危険を感じると川や池に飛び込んで泳いで逃げることもできるんですよ。泳ぎもとても上手です。

日本でも、逃げてしまったイグアナが野生化してしまったケースがあり、特に沖縄や石垣島では繁殖してしまっています。そのため、環境省では「生態系被害防止外来種」として注意喚起がされています。

飼育ケージの準備

グリーンイグアナが安心して暮らせる環境づくりは、まずおうち選びから。イグアナは木登りが大好きで、広々としたスペースを必要とする生きものです。

これから長い時間を一緒に過ごすパートナーだからこそ、成長を見越した快適なケージ作りがとても大切になります。初心者の方でも取り入れやすいポイントをご紹介します。

1.成長に合わせて広々としたおうちを

グリーンイグアナは子どものうちは小さめのケージでも大丈夫ですが、大きくなると180cmほどになるため、最終的にはとても大きなおうちが必要になります。

幅120〜150cm以上、高さもある程度確保できるものを選びましょう。観葉植物用の温室や、大型犬用のケージを工夫して使う方もいます。

2.登るのが大好きなイグアナのために

木登りが大好きなグリーンイグアナのために、ケージの中には太めの枝や流木、人工の止まり木を斜めに設置してあげましょう。

床にはヤシガラやペットシーツなど、湿度管理がしやすくて掃除しやすい素材を使うと快適です。

3.お水はたっぷりと

お水を飲むだけでなく、体を浸して水浴びもするので、イグアナがすっぽり入れるくらいの大きめの容器を用意しましょう。毎日きれいなお水に取り替え、容器もこまめに洗って清潔を保つことが大切です。

上から手を出すと怖がってしまう子も多いので、ケージは横から開けられるタイプが便利です。

温度・湿度・紫外線の管理

グリーンイグアナは、熱帯の森に住むトカゲ。日本の気候では、人工的に環境を整えてあげる必要があります。温度、湿度、紫外線、それぞれの役割とポイントを、わかりやすく丁寧に解説していきます。

1.快適な温度を保ちましょう

イグアナが元気に過ごすには、昼間は28〜33℃、バスキング(ひなたぼっこ)できる場所は35〜45℃くらいが理想です。夜間は25〜28℃を保てると安心ですね。エアコンやパネルヒーター、サーモスタットを使って、急激な温度変化がないようにしてあげましょう。

2.しっとりとした湿度をキープ

グリーンイグアナは湿度が高い環境を好みます。ケージの中の湿度は60〜80%を目指しましょう。霧吹きや加湿器、ミスト装置などを使うと管理がしやすくなります。湿度がしっかりあると、脱皮もスムーズに進みます。

3.紫外線ライトで健康をサポート

イグアナには日光に含まれる「UVB」という紫外線がとても大切です。ビタミンD3を作って、カルシウムの吸収を助けてくれます。

5.0〜10.0のUVBライトをケージ全体に設置して、半年〜1年を目安に交換しましょう。さらに、バスキングライトを当てて、自然の日なたに近い環境をつくってあげるのもポイントです。

バスキングの場所はとても高温になるので、温度計を置いてチェックし、熱くなりすぎないよう注意しましょう。

出典:Wikipedia

イグアナのエサについて

グリーンイグアナは草食性なので、葉っぱを中心としたメニューが基本です。小松菜、チンゲン菜、タンポポ、カブの葉などがおすすめです。

そこに、旬の野草や果物を少し加えてあげると、栄養バランスも良くなります。

カルシウムやビタミンD3のサプリメントを定期的に振りかけてあげることで、骨の病気を予防できます。

毎回同じ野菜だけだと、栄養が偏ってしまいます。いろんな葉っぱをローテーションしてあげると、体にも良いですし、イグアナも喜びますよ。

毎日のお世話と健康管理

毎日のお世話は、実はとても大切です。お水は毎日交換して、糞や食べ残しはすぐに取り除きましょう。清潔な環境が病気を防ぐカギになります。

グリーンイグアナは自分の縄張りを大事にする動物なので、基本的には1匹だけで飼うのがおすすめです。多頭飼育はケンカになることもあるので避けた方が安全です。

特に子どものうちは、温度・湿度・紫外線をしっかり管理しながら、成長に合わせてケージのレイアウトや器具も見直していきましょう。

脱皮のお手伝い

イグアナは成長に合わせて脱皮をしますが、うまくいかないと「脱皮不全」になってしまうことがあります。湿度が足りなかったり、栄養が偏っていたりすると、皮膚が残ってしまって血が通わなくなることもあるので注意が必要です。

脱皮が始まったら、湿度を保って、霧吹きやぬるま湯での入浴で皮膚を柔らかくしてあげましょう。皮が自然にはがれるまで、無理に引っ張らずに見守るのが大切です。

もし何度も脱皮不全になるようであれば、爬虫類に詳しい獣医さんに相談してみてくださいね。

法律やルールも確認しておこう

グリーンイグアナは今のところ「特定外来生物」には指定されていませんが、環境省によって「生態系被害防止外来種」とされています。

そのため、地域によっては届け出が必要になることもあります。また、2020年の法改正により、爬虫類を販売するお店では「対面での説明」や「販売証明書の発行」が義務付けられました。購入する際は、信頼できるお店を選び、しっかり話を聞いてからお迎えしましょう。

まとめ

グリーンイグアナとの暮らしは、手間も知識も必要ですが、それ以上に大きなやりがいがあります。しっかりと環境を整え、愛情を込めて接することで、唯一無二のパートナーになってくれます。

長い時間をかけて少しずつ信頼を築いていけるこのトカゲは、まるで小さな恐竜のように魅力的。グリーンイグアナとの暮らしを、ぜひ大切に楽しんでくださいね。最後までお読みいただきありがとうございました☺