小さなトカゲを飼育するうえで、エサ選びは健康を左右する重要なポイントです。適切な栄養バランスの食事を与えることで、成長をサポートし、病気のリスクを減らすことができます。しかし、「どんなエサを選べばいいの?」「どのくらいの頻度で与えればいいの?」と疑問を持つ飼い主も多いのではないでしょうか。
この記事では、小型トカゲに適したエサの種類や与え方のコツ、栄養バランスを整える方法について詳しく解説します。初心者でもすぐに実践できるポイントを交えながら、健康的な飼育をサポートする情報をお届けします!
小さいトカゲに必要な栄養素とは?
小型トカゲの食事は、主に昆虫を中心とした動物性タンパク質が基本です。ただし、トカゲの種類によって必要な栄養素は異なります。
主な栄養素とその役割
1.タンパク質
タンパク質は筋肉や内臓を作るために必要で、多くの小型トカゲは昆虫を食べることで摂取します。筋肉や臓器の成長に不可欠です。(主に昆虫から摂取)
2.カルシウム
カルシウムは骨の形成を助ける大切なミネラルで、ビタミンD3と一緒に摂ることで効率よく吸収されます。骨や体の形成を助けます。(不足するとくる病のリスクが上昇)
3ビタミンD3
カルシウムの吸収を促進する効果があります。(紫外線を浴びることで体内で合成)
4.ビタミンA
ビタミンAは視力や皮膚の健康維持に役立ちますが、過剰摂取には注意が必要です。視力や皮膚の健康を維持します(不足すると免疫力が低下)
5.繊維質
繊維質は腸内環境を整える働きがありますが、昆虫を主食とする小型トカゲにとってはそれほど大量に必要なものではありません。(野菜を食べるトカゲに適量必要)
小型トカゲが健康に成長するためには、栄養バランスの取れた食事が欠かせません。特に幼体期は成長が早いため、タンパク質やカルシウム、ビタミンD3をしっかりと補うことが重要です。
小型トカゲにおすすめのエサの種類
小型トカゲの主食は、主に昆虫です。特にコオロギは栄養価が高く、手に入りやすいため、多くの飼い主に選ばれています。以下のエサを組み合わせて、栄養バランスを整えましょう。
1.昆虫(主食)
- コオロギ:栄養バランスがよく、手に入りやすい定番エサ
- ミールワーム:脂肪分が多めなので、成長期や栄養補給におすすめ。脂肪分が多いため与えすぎには注意
- フルーツフライ:特に小型のトカゲに適し、カルシウムパウダーをまぶすと栄養価アップ
- ワックスワーム:嗜好性が高いが、脂肪分が多いため与えすぎに注意
2.野菜・果物(補助食)
昆虫を主食とする小型トカゲでも、一部のトカゲには野菜や果物も重要な栄養源となります。
- 小松菜・チンゲン菜・水菜:ビタミンやミネラル、カルシウム補給に役立つ
- リンゴ・イチゴ:嗜好性が高く、少量ならOK(糖分が多いため与えすぎ注意)
- アボカド:アボカドは有害な成分を含むため、絶対に与えない
トカゲに昆虫を与える際は、「ガットローディング」を行うとより栄養価が向上します。これは、昆虫に事前に栄養価の高いエサ(野菜や専用フード)を与え、トカゲに食べさせる方法です。
エサの与え方と頻度
トカゲの年齢や種類によって、エサを与える頻度は異なります。
給餌の目安
成長段階 | 給餌頻度 |
幼体(成長期) | 毎日1〜2回 |
亜成体 | 1日おきに1回 |
成体 | 2〜3日に1回 |
トカゲの年齢や種類によって、エサを与える頻度は異なります。幼体のトカゲは成長が早いため、毎日1〜2回の給餌が推奨されます。
一方で、成体になると消費エネルギーが減るため、2〜3日に1回のペースでも十分です。エサの量はトカゲの体長の半分程度を目安にし、食べ残しが出ないように調整します。
生餌を使用する場合は、食べ残しをそのまま放置すると衛生面で問題が生じるため、しっかりと片付けるようにしましょう。
トカゲにエサを与える時間は、できるだけ一定にすると良いでしょう。規則正しい給餌リズムを作ることで、トカゲの食欲が安定し、消化もしやすくなります。エサの量は「トカゲの頭の大きさ程度」を目安に調整し、食べ残しが出ないようにしましょう。
エサの保存方法とサプリメントの活用
エサの準備や保存、サプリメントにも気を配ることで、トカゲの寿命を延ばすことが可能です。
1.エサの保存方法
エサの鮮度を保つことで、トカゲの健康を守ることができます。
- コオロギ・ミールワーム:適温(20〜25℃)の環境で保存し、水分を適度に補給することで鮮度を維持できる
- 野菜・果物:野菜や果物は冷蔵庫で保存し、3日以内に使い切るのが理想。農薬が付着している可能性があるため、必ずしっかりと洗ってから与える
2.サプリメントで栄養バランスを補う
飼育環境では自然界のようにすべての栄養を摂取するのが難しいため、サプリメントを活用すると安心です。
おすすめサプリメント
- カルシウムパウダー(週3〜4回):骨の健康維持に必須
- マルチビタミン(週1〜2回):栄養バランスを整える
UVBライトを使用すると、トカゲがビタミンD3を合成しやすくなり、カルシウム吸収が向上します。紫外線ライトの設置も忘れずに!
トカゲがエサを食べないときのチェックポイント
トカゲが急にエサを食べなくなった場合、飼育環境や健康状態に何らかの問題がある可能性があります。特に、飼育下のトカゲは環境の変化に敏感で、ちょっとした要因で食欲が落ちることがあります。以下のポイントを確認し、適切な対応をしましょう。
1. 温度や湿度が適切でない
✅ 理想的な温度:26~30℃(種によって異なる)
✅ 適切な湿度:40~60%(乾燥系・湿潤系の種類により調整)
✅ バスキングスポットの温度(体を温めるために設けられた日光浴エリア):35℃前後(種類により異なる)
トカゲの体温調節は環境に依存しているため、温度や湿度が適切でないと消化不良を起こし、食欲が低下することがあります。特に冬場は、気温が下がることで消化機能が落ち、エサを食べなくなるケースが増えます。
✔ 対策:
- 温度計・湿度計を使用してこまめにチェックする
- 保温球やパネルヒーターを活用し、適温を維持する
- 湿度が低すぎる場合は霧吹きで調整する
2. エサに飽きている
✅ 同じエサばかりだと食欲が落ちることも
✅ 昆虫の種類を変えてみる(コオロギ→デュビア、ミルワームなど)
✅ ガットローディング(エサに栄養をつける)を試す
トカゲは意外とグルメで、同じエサばかり与えていると飽きてしまうことがあります。特に昆虫食のトカゲは食の好みに個体差があるため、いくつかの種類をローテーションで与えるのがおすすめです。
✔ 対策:
- 生きた昆虫を与えて、捕食本能を刺激する
- 市販の爬虫類用の人工フードを試す
- ガットローディング(昆虫に栄養価の高い餌を与える)をして、より魅力的なエサにする
3. 体調不良の可能性
✅ 便の状態がいつもと違う(軟便・下痢・血便など)
✅ 動きが鈍くなっている、目が落ちくぼんでいる
✅ 口内炎や呼吸音がするなどの異常がある
トカゲが病気や体調不良に陥ると、食欲が急に低下することがあります。特に消化器系のトラブルや脱水症状、寄生虫感染などが疑われる場合は、注意が必要です。
✔ 対策:
- 数日間様子を見て回復しない場合は、爬虫類対応の動物病院を受診する
- 便の状態をチェックし、異常があれば病院に持参する
- こまめに水を補給し、脱水を防ぐ
トカゲがエサを食べない原因は、環境の変化、食の好み、体調不良などさまざまです。まずは温度や湿度の調整、エサの種類の見直しなどを行い、原因を特定しましょう。数日間様子を見ても改善しない場合は、病気の可能性も考え、早めに動物病院で診てもらうことが大切です。
まとめ
小さいトカゲの健康を維持するためには、適切なエサ選びとバランスの取れた食事が欠かせません。昆虫を中心にしつつ、必要に応じて野菜やサプリメントを活用しましょう。
また、給餌の時間を一定にすることで、トカゲの食欲が安定し、健康的な成長をサポートできます。 トカゲの状態をよく観察し、適切なエサを選びながら、健康的な飼育を楽しんでください。最後までお読みいただきありがとうございました☺