爬虫類を飼ってみたいと思ったとき、気になるのはやはり「買いやすさ」ではないでしょうか。初めての飼育だからこそ、無理のない価格帯で、手間もそこまでかからない種類から始めたい。
そんな方に向けて、今回は飼育しやすく、なおかつコスパも良い「買いやすい爬虫類」を5種類厳選してご紹介します。
飼いやすさと価格のバランスがカギ
一口に「買いやすい」と言っても、生体価格だけで判断するのは早計です。爬虫類の飼育では、生体そのものよりも設備投資やランニングコストのほうがかかる場合も多いため、総合的な費用感を把握することが重要です。
とくに初心者は、以下のような基準で選ぶと失敗が少なくなります。
- 生体価格が比較的手頃(5,000~30,000円程度)
- 飼育環境の構築に高額な設備を必要としない
- 餌代や維持費が抑えられる
- 寿命が長すぎず短すぎず、10年前後が目安
- 病気のリスクが少なく、丈夫な種類
ちなみに爬虫類専門店などでは、初心者向けの「スターターセット」を販売していることもあり、これを活用することで設備購入の手間やコストを抑えることができます。セット内容には差があるので、購入前にはしっかりと確認しましょう。
爬虫類専門店で「飼育セット」を購入すると、必要な設備が一式揃うため初期費用を抑えられます。セット内容をよく確認し、不足品がないかチェックしましょう。
おすすめ買いやすい爬虫類5選
爬虫類を飼ってみたいけれど、「どの種類が買いやすいのか分からない」と迷っていませんか?初心者にとって大切なのは、手間がかかりすぎず、飼育環境が整えやすい種類を選ぶことです。
ここでは、初めてでも安心して飼える「買いやすい爬虫類」を5種類ご紹介します。
1. ヒョウモントカゲモドキ(レオパ)
初めて爬虫類を飼うなら、レオパの愛称で親しまれているヒョウモントカゲモドキは外せません。夜行性で紫外線ライトが不要なため、飼育設備が非常にシンプル。
小型のケージとパネルヒーターがあれば始められるので、初期費用も控えめです。人工餌にも慣れやすく、餌付けのストレスも少ないのがポイント。
また、人懐っこい性格の個体も多く、軽いハンドリングも楽しめます。脱皮不全を防ぐために湿度管理だけは注意しましょう。水入れを置いたり、保湿性の高いシェルターを設置するのがコツです。
生体価格:5,000~20,000円
特徴
・人懐っこい性格でハンドリング可能
・飼育設備がコンパクト(45cmケージでOK)
・人工餌にも対応可能
飼育のポイント
夜行性のため紫外線ライトが不要で、保温器具も安価なパネルヒーターで対応可能。脱皮不全を防ぐため湿度管理が重要。
2. コーンスネーク
ヘビの中でも初心者におすすめされるのがコーンスネークです。毒はなく、穏やかな性格で扱いやすいため、ヘビが初めてでも安心です。餌は冷凍マウスを週に1~2回与える程度で済み、餌代もそこまでかかりません。
温度管理はパネルヒーターと室温で対応でき、ケージは90cm程度のプラケースでOK。脱走癖があるため、蓋付きのしっかりしたケージを選ぶことが大切です。体の大きさに比べて省スペースで飼えるのも魅力です。
生体価格:10,000~30,000円
特徴
・温和な性格で毒なし
・餌代が安い(冷凍マウス月1~2回)
・90cmケージで飼育可能
飼育のポイント
脱走防止のため蓋のしっかりしたケージを選びます。温度管理はパネルヒーターと室温調整で対応可能
3. フトアゴヒゲトカゲ
見た目にインパクトがあり、動きもコミカルで人気が高いのがフトアゴヒゲトカゲです。昼行性のため観察しやすく、飼っていて飽きがこない種類と言えるでしょう。
野菜と昆虫の両方を食べる雑食性で、食べる姿も見ていて楽しいです。ただし、飼育にはバスキングライトや紫外線ライトが必須で、ケージもやや大きめ(120cm程度)になります。
その分、しっかりと環境を整えれば人にもよく慣れ、まさに“ペットらしさ”を感じられる存在になります。幼体期は毎日給餌が必要ですが、成長すれば給餌回数も減ります。やや手間はかかりますが、そのぶん飼育のやりがいがある爬虫類です。
生体価格:15,000~50,000円
特徴
・昼行性でコミカルな行動が魅力
・雑食性(野菜と昆虫)
・最大50cmの迫力あるサイズ
飼育のポイント
紫外線ライトとバスキングスポットが必須。幼体は毎日給餌が必要。
4. クレステッドゲッコー
木登りが得意で壁面にも張り付けるユニークなヤモリ、クレステッドゲッコー。夜行性でおとなしい性格なので、観察をメインに楽しみたい人にぴったりです。
人工飼料だけで飼えるのも魅力で、餌代を抑えられます。縦型ケージに植物を配置すれば、見た目も美しくレイアウトを楽しめるのがポイント。
湿度管理は霧吹きだけで十分なので、設備面でも比較的シンプルです。赤外線ライトを使えば、夜間の観察も可能になります。
生体価格:20,000~50,000円
特徴
・壁面移動可能なヤモリ
・果実と昆虫の人工餌で飼育可能
・湿度管理が容易
飼育のポイント
縦型ケージに植物を配置し、霧吹きで60%湿度を維持。夜行性のため赤外線ライトで観察
5. ツノガエル
最後に紹介するのは、丸いフォルムと大きな口が特徴のツノガエル。意外に思われるかもしれませんが、カエルは爬虫類ではなく両生類に分類されます。
ただし、両生類の一部が進化して爬虫類になった歴史があるため、両者には似ている特徴も見られます。ツノガエルは動きが少なく、静かに飼育できることから人気の高い種類です。
必要なスペースは小さく、30cm程度のケースでも十分。餌は冷凍のコオロギやピンクマウスを週1〜2回でよく、餌代もかなり安価です。基本的に動きが少なく、観賞メインで楽しむのに向いています。
床材にはミズゴケなど、誤飲しにくい素材を使用しましょう。
生体価格:3,000~10,000円
特徴
・餌代が安い(週1~2回の給餌)
・動きが少なくコンパクト飼育可能
・多様なカラーバリエーション
飼育のポイント
床材に誤飲の危険がないミズゴケを使用。水温25~28℃を維持。

環境を整えてからお迎えを
どの種類も「買いやすい」とはいえ、迎える前にしっかりと飼育環境を整えることは必要不可欠です。ケージや保温器具、餌や水入れなど最低限の設備をそろえましょう。
例えばレオパなら45cmのガラスケージや、より安価なアクリルケージとパネルヒーターがあればOKですし、コーンスネークなら脱走防止の蓋付きケージが重要になります。
フトアゴは紫外線ライトやバスキングライトが必要なので、設備費は少しかかりますが、そのぶん充実した飼育が楽しめます。
中古の飼育用品を上手に活用するのも一つの方法です。ただし使用前には必ず洗浄・消毒を行い、安全性を確認してから使用しましょう。
中古品サイトでケージを購入すると新品の半額以下で入手可能です。ただし消毒を徹底し、傷や歪みがないか確認しましょう。
餌代の節約術
長く飼ううえでは、日々のランニングコストも重要な要素です。餌代はちょっとした工夫で大きく変わってきます。
たとえばコオロギやデュビアローチは自家繁殖が可能で、プラケースと市販のフードがあれば家庭でも飼えます。冷凍餌をまとめ買いすることで1匹あたりの単価を抑えることも可能です。
また野菜を与える種類には、小松菜やチンゲンサイなど通年手に入る安価な野菜を選ぶことで、餌代の節約につながります。給餌のタイミングも、種類ごとに適したスケジュールを守れば健康にも良く、無駄も減らせます。
健康管理と予防が大切
爬虫類は我慢強く、体調不良を表に出さない生き物です。だからこそ、日常的な健康チェックが欠かせません。
体重や排泄物の状態、皮膚の様子などをよく観察することが、病気の早期発見につながります。
特に注意したいのが、カルシウム不足による「代謝性骨疾患(MBD)」です。
これを防ぐために、餌にカルシウムパウダーを添加する習慣をつけましょう。また、消化不良を防ぐには餌のサイズに気をつけ、頭の幅の2/3以下を目安にすると良いとされています。
最近では爬虫類にもペット保険があり、月々1,000円前後で加入できる商品もあります。突然の病気やケガに備えておくと、万が一のときにも安心です。
爬虫類専用の保険(月500~1,000円)に加入すると、高額な治療費を抑えられます。診療可能な動物病院を事前に確認しておきましょう。
まとめ
爬虫類を飼いたい初心者にとって、飼いやすさと価格のバランスを考慮することが重要です。今回ご紹介した「買いやすい爬虫類」5選は、どれも手頃な価格で飼育しやすく、長期的なコストも抑えやすい種類ばかりです。
飼育環境を整えることで、爬虫類との生活がより楽しく、充実したものになります。必要な設備や餌代の節約方法、健康管理のコツも押さえておくことで、安心して爬虫類ライフを楽しむことができるでしょう。
どの爬虫類を選ぶか迷った際には、飼育に必要なコストや手間をよく考え、最適なペットを選んでください。最後までお読みいただきありがとうございました☺