アオジタトカゲは、人懐っこい性格とクールな見た目で人気の高いトカゲです。「どんな餌を与えればいいの?」「頻度や量は?」と迷う飼育初心者は多いもの。
実はアオジタトカゲは雑食性で、人工飼料を中心に野菜や果物、さらに昆虫や卵などを組み合わせることで健康を維持できます。
本記事では、主食におすすめの餌や成長段階ごとの与え方、サプリメントの活用法、絶対に避けるべきNG食材までをわかりやすく解説します。
正しい知識を身につければ、日々の食事管理がぐっと楽になり、アオジタトカゲが健やかに長生きできる環境を整えられますよ。
アオジタトカゲは何でも食べる?雑食性を知っておこう
アオジタトカゲを健康に育てるうえで最も大切なのは「雑食性」という食性を理解すること。野菜や果物といった植物質だけでなく、昆虫や卵などの動物性タンパク質も必要とします。
成長段階によって栄養バランスが変わるため、幼体と成体で餌の割合を工夫することが長生きにつながるのです。
野生では何を食べているの?幅広い食性の特徴
野生のアオジタトカゲは、非常に幅広い種類の餌を食べます。
動物性ではコオロギやカタツムリ、小型の哺乳類、鳥の卵、さらには腐肉まで捕食します。一方、植物質では果物や花、葉、キノコなども食べ、まさに雑食性の代表と言える存在です。飼育下でもこの多様性を意識することで、栄養の偏りを防ぎ健康を維持できますよ。
ただし、与える量や種類は飼い主が管理する必要があります。人工飼料を基本に野菜や果物、適量の動物性タンパク質を組み合わせるのが理想です。
偏った食事は肥満や栄養不足につながるため、バランスを意識しましょう。
幼体と成体で変わる!栄養バランスの目安
アオジタトカゲは成長段階によって必要とする栄養が変化します。幼体期は体を大きくするため動物性タンパク質を多めに、成体期は維持に必要なエネルギーが中心となるため植物質を増やすのが基本です。
成長段階 | 動物性タンパク質 | 植物質(野菜・果物) |
幼体(〜約1歳) | 60〜70% | 30〜40% |
成体(約1歳〜) | 40〜50% | 50〜60% |
この表はあくまで目安であり、個体差や活動量によって調整が必要です。
成長が早い時期には動物性を多めに。また、肥満傾向が見られる場合は野菜を増やすなど、日々の観察をもとに調整しましょう。
迷ったらコレ!アオジタトカゲの餌

アオジタトカゲの健康を守るには、餌をどう選ぶかがポイントです。人工飼料をベースに、栄養豊富な野菜や果物を組み合わせ、補助的に動物性タンパク質を加えるのが理想的なバランスでしょう。
ここでは飼育初心者でも用意しやすい主食の種類と特徴を紹介します。
人工飼料・専用フードのメリット
最も手軽で栄養バランスを取りやすいのが、市販の人工飼料やアオジタトカゲ専用フードです。ビタミン・ミネラル・タンパク質が計算されて配合されており、毎日の主食に最適。幼体用・成体用といった成長段階に合わせた製品を選ぶと安心ですよ。
与える際は、幼体には粒をふやかして柔らかくしたり細かく砕いて与えるのがおすすめ。食いつきが悪い場合は、野菜や果物と混ぜて嗜好性を高めるとよいでしょう。人工飼料を基本に据えることで、栄養バランスが崩れるリスクを減らします。
野菜と果物で補う栄養バランス
アオジタトカゲにとって、野菜と果物はビタミンや食物繊維を補う大切な栄養源です。特に緑黄色野菜を中心に与えると、健康維持に役立ちます。果物は嗜好性が高いためおやつ感覚で少量を意識しましょう。
分類 | おすすめ例 | 与え方のポイント | 注意点 |
野菜 | 小松菜、チンゲンサイ、カボチャ、ニンジン、ズッキーニ | 細かく刻み、生または軽く茹でて柔らかくする | ほうれん草やキャベツは与えすぎ注意 |
果物 | リンゴ、バナナ、イチゴ、マンゴー | 少量を刻んで与える。ご褒美に最適 | 糖分が多いため控えめに。種・皮は取り除く |
野菜は給餌量の6〜7割を目安に、果物は1〜2割程度が理想です。
昆虫や卵はどう使う?動物性タンパク質の与え方
筋肉や成長を支える動物性タンパク質も、適度に与えると良い効果があります。
コオロギやデュビアなどの昆虫は栄養価が高く、捕食行動を通じてストレス発散にもつながります。ピンクマウスやウズラ卵は高栄養ですが、頻度を月1回程度に抑えましょう。
与え方は、昆虫をピンセットで与える、またはケージ内に放して自然な捕食を促す方法があります。ただし、与えすぎると肥満や内臓への負担になるため注意してください。動物性はあくまで補助的と考え、人工飼料と野菜を中心に据えるのが基本です。
カルシウムやビタミンのサプリ活用術

アオジタトカゲはさまざまな餌を食べますが、飼育環境ではどうしても栄養が偏りがち。とくにカルシウムやビタミンは不足しやすく、骨の異常や代謝不良の原因になることもあります。
人工飼料や野菜を基本としつつ、サプリメントで不足分を補うことで、健康で長生きできる環境を整えましょう。
カルシウム剤の選び方と正しい与え方
カルシウム不足は、代謝性骨疾患の「くる病」を招くため、サプリメントで補給しましょう。適切なカルシウム補給は骨の丈夫さだけでなく、筋肉や神経機能の維持にもつながります。
カルシウム剤を選ぶ際は「リンを含まない炭酸カルシウム製剤」を基本とし、粒子の細かいパウダータイプが理想。与え方は、餌に粉末をまぶす「ダスティング」が一般的。幼体は骨格形成期のため毎日、または隔日で使用するのがおすすめです。成体は週2〜3回程度で十分です。
ビタミンD3入りのカルシウム剤の場合は、過剰摂取のリスクがあるため、必ず製品が指示する用量を守りましょう。
ビタミン剤の活用で不足を補う!
カルシウムだけでなく、ビタミンや微量ミネラルもアオジタトカゲの体調管理に欠かせません。とくに市販の総合ビタミン剤を選ぶときは、爬虫類専用であることを確認しましょう。人間用や犬猫用は成分バランスが異なり、アオジタトカゲの健康を損なう恐れがあります。
おすすめは、ビタミンAを「β-カロテン」として配合した製品です。体内で必要な分だけビタミンAに変換されるため、過剰摂取のリスクを避けられます。与える頻度は幼体で週1〜2回、成体で月2〜3回が目安。
カルシウム剤と併用する際は、ビタミンD3の量が重複しないよう注意しましょう。正しい頻度で与えることで、免疫力向上や代謝の安定にもつながりますよ。
どのくらい食べる?給餌量と頻度の目安

餌の種類だけでなく、与える量や頻度もアオジタトカゲの健康管理に直結します。とくに幼体と成体では必要な栄養量が大きく異なるため、成長段階に応じた給餌プランが必要です。
餌を与えるタイミングや環境を工夫することで、消化や食欲も安定しますよ。
幼体と成体の給餌ペース・量の違い
幼体期は急速な成長を支えるため、毎日〜1日おきに与えるのが基本です。
頭の大きさ程度、または10分以内で食べきれる量を目安に、小分けで与えると消化の負担を減らせます。栄養価の高い人工飼料や昆虫を中心に、カルシウム剤を毎回まぶして骨格形成をサポートしましょう。
成体期は成長が落ち着くため、餌の与えすぎは肥満につながります。週2〜3回、2〜3日に1回の頻度が目安で、頭の大きさ程度の量に抑えましょう。植物質の割合を増やし、低カロリーで栄養価の高い野菜を中心に構成するとバランスが取りやすいですよ。
活動量や体格に応じて調整し、肥満傾向が見られたら給餌回数を減らすなど工夫しましょう。
与える時間帯と方法を工夫しよう
アオジタトカゲは昼行性なので、餌は活動が活発になる日中に与えるのが理想。ケージ内の温度が上がったタイミングに給餌すると、消化がスムーズです。夜間の給餌は避け、日中のリズムに合わせて習慣化させましょう。
方法としては、ピンセットで直接与えるか、餌皿に置いて食べさせる形が一般的です。ピンセット給餌は健康状態の確認がしやすく、置き餌は自由に食べられるメリットがありますが、食べ残しはすぐに片付けて清潔を保つことが大切です。
飲み水は常に新鮮な水を用意し、毎日交換する習慣を徹底してくださいね!
危険だからNG!避けるべき食材

アオジタトカゲは雑食性だからといって、何でも食べてよいわけではありません。有毒な植物や消化に悪い野菜、人間用の加工食品などは健康被害の原因になります。
誤って与えると命に関わることもあるため、避けるべき食材を知り、飼育環境から遠ざけておくことが重要です。
中毒の危険も!有毒植物や注意すべき野菜
観葉植物のポトスやモンステラ、園芸植物のスイセンやユリなどは、口にすると中毒症状を起こす恐れがあります。ケージの近くには絶対に置かないよう注意しましょう。
野菜のなかにも、ジャガイモの芽や未熟なトマトにはソラニンが含まれ、消化器障害の原因になります。また、ほうれん草はカルシウムの吸収を妨げ、キャベツを多量に与えると甲状腺に影響を及ぼす可能性があります。
見た目が安全そうでも、爬虫類にとっては危険な食材があることを理解し、必ず避けるようにしましょう。
肥満や病気の原因?人間の食事を与えるリスク
豚肉や牛肉の脂身、鶏皮など脂肪分の多い肉類は、消化器に大きな負担をかけ、肥満や肝臓疾患のリスクを高めます。人間用に加工されたハムやソーセージには塩分・添加物が多く含まれ、少量でも健康被害を引き起こす可能性も。
私たちが普段口にする食品の多くは、アオジタトカゲにとって有害です。人間の食事を絶対に与えないことが、安全な飼育につながりますよ。
よくあるトラブル解決!食べないときの対処法
飼育を始めると「急に餌を食べなくなった」「餌の保存方法は?」といった悩みに直面することがあります。アオジタトカゲが餌を食べなくなる理由はさまざまです。
多いのは環境要因で、温度が低すぎる、湿度が不足している、隠れ場所が少ないなどが挙げられます。この場合はホットスポットを32〜35℃、クールスポットを25〜28℃を目安に環境を整えましょう。
また、脱皮前後や季節の変わり目は一時的に食欲が落ちることがあります。無理に与えず、様子を見ながら湿度を少し高めにすると改善することも。
さらに、ストレスや加齢による代謝低下も食欲不振の原因となります。1週間以上食べない、下痢や体重減少を伴う場合は、早めに爬虫類の診察をしてくれる獣医に相談しましょう。
健康的な食事で、長く元気に暮らせるように!

アオジタトカゲの飼育で最も大切なのは、その雑食性を踏まえてバランスの良い食事を与えること。
人工飼料を主食にしつつ、新鮮な野菜や果物で栄養を補い、昆虫や卵といった動物性タンパク質は補助的に取り入れるのが理想的です。
さらにサプリメントを使えば、不足しやすい栄養素を補えます。幼体は毎日少量、成体は週2〜3回を目安に、頭の大きさ程度の量を与えましょう。与えてはいけない食材を避け、食欲不振が続くときは環境の見直しや獣医師への相談を。
正しい餌管理で、アオジタトカゲに健康に長生きしてもらい、大切なペットとの生活を楽しみましょう。