ペットの飼育で、エサ選びは健康を左右する大切なポイントです。成長期のトカゲにとって、どんなエサをどのように与えるかは、その後の体づくりや体調に大きく影響します。
「昆虫が主食と聞いたけれど、種類が多くて迷う」と、エサについて不安を感じている人もいるのではないでしょうか。とくに、子どもが飼いたいと言い出して調べている家庭や、初めて爬虫類を迎える一人暮らしの方にとっては、判断が難しいポイント。
この記事では、ペットショップなどで流通しているトカゲをはじめとした、昆虫を主に食べる小型の爬虫類を想定し、エサの種類や与え方の基本、栄養バランスを整える考え方を整理して解説します。
これから飼育を始める方にも、すでに飼っている方にも役立つ内容をまとめました。
小型トカゲにおすすめのエサの種類

小型トカゲの主食は、生きた昆虫です。とくに、ペットショップなどで流通している小型トカゲや幼体は、動くエサを追って食べる習性があるため、昆虫を中心にした食事が基本になります。
まず押さえたい、主食になる昆虫エサ
小型トカゲのエサとして使われる昆虫には、いくつか種類があります。それぞれ栄養の特徴や役割が異なるため、一種類だけを与え続けるのではなく、組み合わせて与えることが大切。
下の表では、初心者でも取り入れやすい昆虫エサを中心に、主食として使いやすいものや、補助的に与えたいものを整理しています。
| エサの種類 | 位置づけ | 特徴 | 注意点 |
| コオロギ | 主食 | 栄養バランスがよく、入手しやすい定番のエサ | サイズは口に合うものを選ぶ |
| ミズアブの幼虫 | 主食・ローテーション | 栄養価が高く、においが少なく管理しやすい | 与えすぎず、ほかの昆虫と組み合わせる |
| ミルワーム | 補助 | 脂肪分が多く、成長期や体力補給に向く | 与えすぎると栄養が偏りやすい |
| フルーツフライ | 主食(幼体向け) | 体の小さなトカゲでも食べやすい | カルシウムパウダー併用がおすすめ |
| ワックスワーム | 補助・ごほうび | 嗜好性が高く、食いつきがよい | 常用せず、少量にとどめる |
エサ選びに迷ったときは、主食になるものを軸にしながら、ローテーションを意識すると考えると分かりやすいでしょう。
野菜や果物は必要?与えるときの考え方
小型トカゲの多くは昆虫を主食としていますが、種類によっては野菜や果物を口にすることがあります。そのため、野菜や果物が必要かどうかは一律に決めるのではなく、飼育しているトカゲの食性に合わせて判断しましょう。
昆虫食が中心のトカゲにとって、野菜や果物は主食の代わりになるものではありません。与える場合は補助的な位置づけとし、少量から試すようにしましょう。
小松菜やチンゲン菜などの葉物野菜は刻んで与えると食べやすくなります。果物は好んで食べる個体もいますが、糖分が多いため与えすぎには注意が必要です。
アボカドは有害な成分を含むため、どの種類のトカゲにも与えてはいけません。
エサ選びでよくある失敗と注意点
小型トカゲのエサ選びで多い失敗のひとつが、一種類の昆虫だけを与え続けてしまうことです。手に入りやすいエサに偏ると、栄養バランスが崩れやすくなります。主食になる昆虫を軸にしつつ、ローテーションを意識することが大切です。
また、トカゲの体に対して大きすぎる昆虫を与えてしまうケースも見られます。食べにくかったり、誤飲の原因になることがあるため、口に合ったサイズを選びましょう。
エサを食べないからといって、すぐに量を増やしたり種類を頻繁に変えたりするのも逆効果になることがあります。まずは環境や体調を確認し、落ち着いて様子を見る姿勢が安心です。
エサは毎日あげる?成長段階で変わる給餌の考え方

小型トカゲへの給餌は、年齢(成長段階)と個体の様子を基準に考えます。成長期の幼体は体づくりのためにエネルギーを多く必要としますが、成体になると消費量は落ち着きます。
与えすぎや不足を防ぐため、頻度と量の目安を押さえておきましょう。
給餌の目安
| 成長段階 | 給餌頻度の目安 |
| 幼体(成長期) | 毎日1〜2回 |
| 亜成体 | 1日おきに1回 |
| 成体 | 2〜3日に1回 |
エサの量は、一度に食べ切れる量を基本に調整します。生きた昆虫を与える場合、ケージ内に残すと衛生面の問題につながるため、食後は必ず回収しましょう。
給餌の時間はできるだけ一定にすると、食欲や消化のリズムが安定しやすくなります。
エサの保存方法とサプリメントの活用
小型トカゲの健康を保つためには、エサの内容だけでなく、保存状態や栄養の補い方にも気を配ることが大切です。
昆虫エサは、生きた状態で管理することが多いため、コオロギやミズアブの幼虫、ミルワームなどは20〜25℃前後を目安に保ち、水分不足にならないよう注意します。野菜や果物を与える場合は冷蔵庫で保存し、数日以内に使い切りましょう。
飼育環境では栄養が偏りやすいため、カルシウムパウダーやマルチビタミンなどのサプリメントを補助的に使うと安心です。エサに軽くまぶす程度にとどめ、与えすぎないことがポイントです。
UVBライトを設置することでビタミンD3の合成が促され、カルシウムの吸収を助けます。
エサを食べないときのチェックポイント
トカゲが急にエサを食べなくなった場合、まずは飼育環境に問題がないかを確認しましょう。温度や湿度が合っていないと消化機能が落ち、食欲が低下することがあります。とくに寒い時期は、保温が不十分だと食べなくなるケースが多く見られます。
環境に問題がなければ、エサの内容も見直してみましょう。同じ昆虫ばかり与えていると、食べ飽きてしまう個体もいます。種類を変えたり、昆虫に栄養価の高いエサを食べさせてから与える「ガットローディング」を行ったりすることで、食いつきが改善することがあります。
それでも食べない状態が続く場合は、体調不良の可能性も考えられます。便の状態や動きに異変がないかを観察し、数日経っても改善しない場合は、爬虫類を診てもらえる動物病院に相談すると安心です。
小型トカゲのエサ選びは組み合わせが重要

小型トカゲの飼育では、昆虫を中心としたエサ選びが基本になります。コオロギやミズアブの幼虫などを主食にしつつ、成長段階や個体の様子に合わせて種類を組み合わせることで、栄養バランスを整えやすくなります。
また、エサの内容は一度決めたら固定するのではなく、成長段階や体調に応じて見直していくことも重要です。エサを食べない場合は、環境やエサの内容、体調などを確認し、焦らず対応しましょう。
小型トカゲのエサ選びにおいて、正解はひとつだけではありません。同じ種類でも、食の好みや成長スピードには個体差があります。大切なのは、情報を参考にしつつ、目の前のトカゲの様子を見て調整していくこと。
トカゲの様子をよく観察しながら、その個体に合ったエサの与え方を見つけていきましょう。

