冬が近づくと、「飼っているカエルは冬眠するの?」「寒い時期もこのまま飼育して大丈夫?」と不安を感じる方は少なくありません。
カエルは体温を自分で調整できない変温動物のため、冬の環境管理は健康や命に直結します。しかし、すべてのカエルが冬眠するわけではなく、種類によって冬の過ごし方は大きく異なります。
この記事では、カエルが冬にどのように過ごすのかという基本から、冬眠するカエル・しないカエルの違い、室内飼育で必要な温度・湿度管理、冬場のエサやりやトラブル対策までをわかりやすく解説します。
カエルと冬の関係を知ろう

カエルは体温を自分で調整できない「変温動物」のため、冬の寒さは命に関わります。冬の過ごし方を誤ると体調不良や生命にも関わるため、まずはカエルと冬の基本的な関係を正しく理解することが大切です。
カエルは冬にどう過ごすのか
日本の冬はカエルにとって厳しい環境です。気温が下がると体温も低下し、動きが鈍くなります。その結果、多くのカエルは活動をほぼ止め、エネルギー消費を抑える状態に入ります。これが一般的に「冬眠」と呼ばれる状態。
冬眠中のカエルは、心拍数や呼吸数を大幅に下げ、エサを食べずに体内に蓄えた脂肪だけで冬を越します。野生では、土の中や落ち葉の下、水底の泥など、凍結しにくく温度変化の少ない場所を選びます。
冬眠するカエルとしないカエルの違い
すべてのカエルが冬眠するわけではありません。日本在来種の多く、たとえばニホンアマガエルやトノサマガエル、ツチガエルなどは、四季に適応して冬眠する性質を持っています。これらの種類は、寒さに耐えるために冬眠を前提とした生態です。
一方、アカメアマガエルやベルツノガエルなど、熱帯・亜熱帯原産のカエルは冬眠しません。原産地では一年を通して気温が高く、冬眠という習性自体を持たないためです。これらのカエルを飼育する場合、冬でも保温を行い、活動できる環境を維持する必要があります。
この違いを理解せずに「冬だから冬眠させたほうがいい」と判断してしまうと、命に関わる事故につながることも。
飼育しているカエルがどちらのタイプなのか、本格的に気温が下がる前に確認しておきましょう!
カエルの冬眠について深く知る

冬眠は、寒さと食料不足を乗り越えるために、一部のカエルが行う重要な生理的適応です。「冬眠するカエル」に焦点を当て、その特徴や冬眠時の注意点を解説します。
冬眠中のカエルの体に起きていること
冬眠中のカエルは、見た目以上に大きな生理的変化を起こしています。体温は周囲の環境温度に近づき、心拍数や呼吸数は通常時よりも大幅に低下します。代謝も極端に抑えられ、エサを一切食べず、秋までに蓄えた脂肪だけがエネルギー源です。
この状態では、わずかな環境変化が命取りになることも。とくに乾燥や急激な温度変化は、冬眠中のカエルに強い負担を与えます。また、冬眠前に十分な栄養を蓄えられていない個体は、冬眠中に体力を使い果たしてしまうリスクが高くなります。
種類によっては、体内に不凍物質を作り出し、低温でも細胞が損傷しにくい仕組みを持つものもいます。冬眠は安全な「休息」ではなく、つねにリスクと隣り合わせの状態であることを理解しておくことが大切です。
野生のカエルが冬眠する場所と注意点
野生のカエルは、冬眠に適した場所をみずから探し、身を隠します。代表的なのは、土の中、落ち葉や枯れ草の下、石や倒木の隙間、水底の泥のなかなど。これらの場所は、凍結しにくく、温度や湿度が比較的安定しているという共通点があります。
庭や畑、公園などでは、冬眠中のカエルが気づかれないまま過ごしています。そのため、冬場に落ち葉を一気に片付けたり、土を深く掘り返したりすると、冬眠中のカエルを傷つけてしまう可能性があります。
また、除草剤や殺虫剤などの薬剤使用も、冬眠中のカエルにとっては大きなリスクです。屋外で冬眠しているカエルに対して、特別な世話は必要ありません。重要なのは「触らない・掘らない・環境を変えすぎない」こと。静かに見守ることが、最大の配慮になります。
室内で飼育するカエルの冬対策

室内でカエルを飼育している場合、冬の環境づくりは飼い主の管理に大きく左右されます。自然界のように自分で安全な場所を選べないため、管理を誤るとカエルが体調を崩しやすくなります。初心者でも実践しやすい冬の基本対策を3つのポイントに分けて解説します。
温度管理が冬対策の最重要ポイント
冬のカエル飼育で最も重要なのが温度管理。カエルは変温動物のため、気温が低すぎると消化不良や免疫力低下を起こし、体調を崩しやすくなります。とくに夜間や留守中は室温が下がりやすく、注意が必要です。
室内飼育では、ケージ内に温度差を作ります。パネルヒーターや暖突、セラミックヒーターなどを使い、「暖かい場所」と「少し涼しい場所」を用意することで、カエル自身が快適な位置を選べます。必ずサーモスタットを併用し、低温・過昇温を防ぎましょう。
感覚に頼らず温度計で数値を確認することが重要です。
乾燥を防ぐ!湿度管理と水環境
冬は暖房の影響で室内が乾燥しやすく、カエルにとっては負担の大きい季節です。皮ふから水分を吸収するカエルは、乾燥が続くと脱水や皮ふトラブルを起こしやすくなります。
乾燥に対する基本的な対策は、霧吹きと水入れの併用です。1日1〜数回、ケージ内に霧吹きを行い、湿度を保ちます。使用する水は必ずカルキ抜きをしたものを使いましょう。湿度計を設置し、乾燥しすぎや蒸れすぎを防ぐことも大切です。
水入れは、全身を無理なく浸せる浅さで安定感のあるものを選びましょう。
冬のエサやりと体調管理の考え方
冬になるとカエルの代謝は落ち、食欲が低下することがあります。これは多くの場合、自然な反応です。無理に餌を与え続けると消化不良の原因になるため、食べない場合は一度引き下げる判断も必要。
給餌は「食べるかどうか」「体型に変化がないか」を基準に調整します。急激に痩せてきたり、反応が鈍すぎたりする場合は、温度や体調を再確認しましょう。
冬場でもカルシウムやビタミンD3などの基本的な栄養補給は重要です。生き餌にサプリメントをまぶすなど、量より質を意識した給餌を心がけましょう。
よくある疑問と冬のトラブル対処法

冬はカエルの動きが鈍くなり、「元気がないのでは?」と不安になる飼い主も多い季節。低活動状態と体調不良の見分けがつかないまま対応を誤ると、症状を悪化させてしまうこともあります。万が一のトラブル時の基本的な対処法を整理します。
冬にカエルが動かないときの判断ポイント
冬になると、カエルがじっとして動かない、エサを食べないといった様子が見られることがあります。気温低下による低活動状態であることも考えられます。適切な温度と湿度が保たれており、刺激を与えると反応がある場合は、過度に心配する必要はないでしょう。
一方で注意が必要なのは、急激な体重減少や皮ふの異常(ただれ・白濁・極端なしわ)、ぐったりしてまったく反応しない状態などが見られる場合です。これらは体調不良のサインである可能性が高いため、環境や健康状態を見直しましょう。
判断に迷った場合は、まず温度・湿度・水の清潔さを再確認します。それでも改善しない場合は、早めに両生類を診察できる獣医師へ相談することが大切です。
冬に体調を崩した場合の基本対応
冬にカエルの体調不良が疑われる場合、まず行いたいのが安定した保温です。寒さは回復を妨げる要因になるため、温度管理が最優先。急激に温度を上げるのではなく、種類に適した範囲の上限寄りまで徐々に調整し、体への負担を抑えましょう。
次に、ケージ内を清潔に保ちます。水入れの水を交換し、床材の汚れを取り除くことで、細菌やカビの繁殖を防げます。脱水が疑われる場合は、浅い水に浸かれる環境を整え、霧吹きの頻度を増やして水分補給を促しましょう。
カエルが元気に春を迎えられるように

カエルにとって冬は、種類によって過ごし方が大きく異なる重要な季節です。冬眠するカエルもいれば、室内で一年中活動するカエルもおり、飼育方法を誤ると体調不良や命に関わる事故につながります。
まずは、飼育しているカエルが冬眠するタイプかどうかを正しく理解することが大切です。室内飼育では、飼い主の管理がカエルの健康を左右します。とくに冬は、温度変化が激しいため、負担をかけない環境づくりが欠かせません。
冬は活動量が落ちるため、日々の小さな変化を見逃さない観察力も重要です。正しい知識と準備があれば、カエルは寒い冬を乗り越え、春には元気な姿を見せてくれます。初心者でもできる冬対策を実践し、大切なカエルをしっかり守りましょう。

