ミズオオトカゲは東南アジア原産の大型トカゲで、見た目の迫力や珍しさからペットとして人気があります。しかし、その力強さと意外な行動力から、日本国内でもたびたび脱走騒動がニュースになっています。
この記事では、実際に起きた脱走事例をもとに、飼い主さんが取るべき対処法や、日頃からできる脱走防止の工夫についてわかりやすくご紹介します。

実際に起きた脱走の事例
2022年、東京都北区の住宅街で、体長およそ1メートル超のミズオオトカゲが脱走する騒ぎがありました。
窓をよじ登る姿が目撃され、「ワニかと思った」という驚きの声があがったほど。警察も出動し、最終的には室内で無事に保護されました。
ミズオオトカゲは、飼い主が旅行中の間にケージから脱走。ケージの上部が窓のすぐ近くにあったことで、そのまま外へ出られてしまったと考えられています。
その他にも、香川県小豆島町では60〜70cmほどの個体が側溝に逃げ込み、無事に捕獲された事例がありました。
https://news.tv-asahi.co.jp/news_minkame/articles/000265356.html
出典:テレ朝NEWS
https://www.sankei.com/article/20231023-7JE3JIYEEFL3PL3X6FRR7MQFOU
出典:産経新聞
https://www.yomiuri.co.jp/national/20200927-OYT1T50231
出典:読売新聞オンライン
脱走の主な原因とは?
ミズオオトカゲの脱走は、ケージの強度不足や施錠の不備、そして「これくらいなら大丈夫だろう」という気の緩みから起きることがほとんどです。
ミズオオトカゲは非常に力が強く、アクリル板や簡易的な自作ケージは簡単に開けてしまう場合があります。
また、ケージの隙間、老朽化、あるいは掃除・給餌時の戸締まり忘れも脱走につながります。特に窓やドアの近くにケージがあると、外への脱出リスクが高まります。
ケージや窓の鍵は「閉めたつもり」ではなく、実際に目で見て確認を!力の強いミズオオトカゲには、しっかりとした施錠と定期点検が欠かせません。

脱走によって起きるリスク
ミズオオトカゲが脱走すると、住宅街や公園で目撃され、驚いた住民が通報することが多くなります。
見慣れない大型爬虫類は、不安や恐怖の対象となりやすく、社会的な問題に発展するケースもあります。
警察や保健所が出動し、ニュースやSNSで拡散されることも珍しくありません。脱走した個体がパニックを起こし、噛んだり引っかいたりすることで人にケガをさせる可能性もゼロではないのです。
また、屋外で見つからずに衰弱したり、交通事故にあうリスクも高まります。こうした脱走は、飼い主の管理責任が問われることになります。
近隣住民からの苦情、損害賠償請求、さらにはペットの飼育制限など、思わぬ影響を受ける可能性もあります。
脱走時に飼い主がすべき5つの行動
万が一脱走してしまったときは、慌てず落ち着いて以下の対応をしてください。
1. 家の中をすみずみまで探す
家具の下、押し入れ、暗い隙間など、隠れやすい場所を中心に探します。臆病な性格の個体が多く、人が近づくと隠れる傾向があります。
2. 外に出た可能性がある場合は周辺も捜索
近所の方に声をかけ、目撃情報がないか確認しましょう。脱走からあまり時間が経っていなければ、家の周りにいることが多いです。
3. 警察や保健所に連絡を
大型の爬虫類が脱走した場合、関係機関への連絡は必須です。放置しておくと、さらに大きなトラブルに発展する恐れがあります。
4. SNSや地域の掲示板などで呼びかけを
写真や特徴を載せて情報を発信すると、目撃情報が集まりやすくなります。
5. 発見した際は無理に捕まえない
興奮状態のトカゲは攻撃的になることがあります。安全を第一に、専門業者や詳しい人に相談して対応しましょう。
「自分でなんとかしよう」と無理をせず、早い段階で第三者の協力を得ましょう。安全確保が何より大切です。
家の中でミズオオトカゲがよく隠れている場所
ミズオオトカゲはとても力が強い一方で、性格は意外にも繊細で臆病です。万が一、家の中でケージから脱走してしまった場合、パニックを起こしてすぐにどこかへ隠れてしまうことがほとんどです。
焦らずに落ち着いて、まずは「隠れていそうな場所」を一つひとつ丁寧に探すことが大切です。ここでは、実際の事例などから分かったミズオオトカゲが隠れやすい場所をご紹介します。
1.タンスや家具の下・裏
大型家具の下や裏側は、脱走時によく見落とされがちな隠れ場所です。実際の脱走事例では、警察官が「タンスの下だ!」と声を上げて捜索していたこともあり、タンスや本棚、テレビ台、ベッド、ソファの下などは特に要チェックです。ミズオオトカゲは体が大きくて柔軟なので、狭いすき間にも意外と入り込んでしまいます。
2.段ボールや収納ボックスの中
段ボールや収納ケースの中も、暗くて安心できる場所として好まれます。フタが少しでも開いている箱があると、自然と中に潜り込んでしまうことがあります。日頃から部屋に段ボールや空き箱を置いている場合は、念のため中をのぞいて確認してみてください。
3.暗くて狭いすき間
机や棚と壁のすき間、押し入れの奥、観葉植物の裏など、暗くて人目につきにくいスペースは、ミズオオトカゲにとって「隠れるのにちょうどいい場所」です。
こうした場所は音を立てずに静かに探すのがコツ。物を動かす際にはトカゲを驚かせないよう、ゆっくり行いましょう。
4.壁際や部屋の隅
壁と家具の間や部屋の角など、閉鎖的で落ち着ける空間も、脱走直後のトカゲが好んで身を潜める場所です。見落としがちなので、懐中電灯などで光を当てながら、静かに確認していきましょう。

日頃からできる脱走防止策
脱走を防ぐには、日々のちょっとした工夫と心がけがカギになります。
- 頑丈なロック付きのケージを使う
- ケージの隙間や劣化を定期的に点検・補修
- 掃除や給餌の際は戸締りを忘れずに
- 窓やドアの近くにケージを置かない
- 留守中は信頼できる人に世話を依頼する
市販ケージでも、経年劣化や改造によって強度が落ちることがあります。特にアクリル板や簡易自作ケージは要注意。
ミズオオトカゲは成長とともに力も増していきますので、幼体のうちから余裕のある頑丈なケージを選び、成長に応じて飼育環境を見直すことが大切です。
ケージの点検は月1回を目安に行いましょう。特に成長期や季節の変わり目は、トラブルが起きやすい時期です。
飼い主としての責任と社会への影響
脱走は、飼い主の問題だけにとどまりません。地域社会への影響や、他の爬虫類飼育者への偏見、さらには法規制の強化など、さまざまな波紋を広げる可能性があります。
「うちの子に限って」は通用しないのが現実です。飼い主としての責任をしっかり果たし、常に最悪の事態を想定した管理を心がけましょう。
まとめ
ミズオオトカゲの脱走は、ちょっとした油断やケージの不備からでも起こり得ます。だからこそ、日頃の備えと意識が何より大切です。
実際の事例からもわかるように、「ケージの強度」「施錠の確認」「窓・ドアの位置」など、基本的なポイントをしっかり押さえておきましょう。
万が一の際は、冷静な行動と専門家との連携が、早期発見・解決への近道になります。そして最後にもう一度、脱走は飼い主一人の問題ではありません。
地域の人々や他の飼育者にも影響を及ぼす可能性があるからこそ、日頃からの安全管理が何よりも重要です。
今一度、ご自身の飼育環境を見直してみてくださいね。最後までお読みいただきありがとうございました☺