ヤモリとトカゲは、見た目がよく似ていることから「同じような生き物でしょ?」と思われがちです。家の壁に張り付いている姿を見て、子どもに聞かれて答えに迷った経験がある人もいるかもしれません。
しかし、ヤモリとトカゲは分類や体のつくり、暮らし方に違いがあり、それぞれ異なる特徴を持つ爬虫類です。
この記事では、ヤモリとトカゲの違いを初心者にもわかりやすく整理し、見分け方や暮らし方、ペットとして迎える場合の考え方までを解説します。
ヤモリとトカゲは別もの?よくある勘違い

ヤモリとトカゲは、分類や体のつくりや暮らしに大きな違いがあります。まずは、よくある勘違いの理由と、簡単な違いを整理してみましょう。
実は同じ仲間じゃない?
ヤモリとトカゲは、どちらも爬虫類である点は共通しています。具体的には、爬虫綱・有鱗目に分類され、ヘビなどと同じグループに含まれます。このため「ヤモリもトカゲの仲間」と思われやすいのですが、実際にはその先の分類が異なります。
ヤモリは主にヤモリ科、トカゲはトカゲ科やカナヘビ科などに分かれており、分類上は別のグループ。見た目が似ているだけで、まぶたの有無や足の構造、生態にははっきりとした違いがあります。
日本でよく見るヤモリとトカゲ
日本で身近なヤモリの代表がニホンヤモリです。夜行性で、家の外壁や窓の近くに現れ、灯りに集まる昆虫を食べる姿がよく見られます。一方、ニホントカゲは昼行性で、公園や庭、草地など地面に近い場所で活動します。幼体の青いしっぽが特徴的です。
このほかにも、日本にはホオグロヤモリやミナミヤモリなどのヤモリ類、ニホンカナヘビやアオカナヘビといったトカゲ類が生息しています。こうした複数の種類が身近にいることも、ヤモリとトカゲを混同しやすい理由のひとつです。
見た目でわかるヤモリとトカゲの違い
ヤモリとトカゲは一見よく似ていますが、体のつくりをよく見ると見分けるポイントがあります。とくに、目の構造や足の形は、初心者でも判断しやすい違いです。
実際に見かけたときに役立つ見た目の違いに注目して、ヤモリとトカゲを見分けるコツを紹介します。
目を閉じられる?まぶたの違い

ヤモリとトカゲを見分けるうえで、もっとも分かりやすいのがまぶたの有無。ヤモリの多くはまぶたを持っておらず、目を閉じることができません。いつ見ても目が開いているように見えます。目の表面が乾かないよう、舌で目をなめる行動をするのもヤモリならではの特徴です。
一方、トカゲの多くはまぶたを持ち、人間のように瞬きをしたり目を閉じたりできます。昼行性の種類が多いトカゲにとって、強い日差しから目を守るための構造だと考えられています。
例外として「トカゲモドキ」は、ヤモリの一種でありながらまぶたを持っています!
壁を登れる?足のつくりの違い

ヤモリといえば、壁やガラスに張り付いて移動する姿を思い浮かべる人も多いでしょう。ヤモリの足の裏には、細かなひだ状の構造があり、その表面には非常に細い毛が無数に生えています。この構造によって、ツルツルした壁や天井にも張り付くことができるのです。
一方、トカゲの足にはこのような構造はなく、基本的には爪を使って地面や木、岩をつかんで移動します。そのため、垂直なガラス面を登ることはできません。「壁に張り付いているかどうか」は、ヤモリとトカゲを見分ける際にとても分かりやすいポイントです。
暮らし方で見るヤモリとトカゲの違い

見た目だけでなく、ヤモリとトカゲは「どんな場所で、どんな時間に暮らしているか」にも違いがあります。活動する時間帯や過ごす場所を知ると、自然の中での役割や、飼育する場合に必要な環境もイメージしやすくなるかも。暮らし方の違いに注目して整理します。
夜に動くヤモリ、昼に動くトカゲ
多くのヤモリは夜行性で、日中は物陰に隠れて休み、夜になると活動します。とくにニホンヤモリは、街灯や窓の明かりに集まる昆虫を狙って、夜の家の外壁に現れることがよくあります。暗い環境でも獲物を見つけやすい目を持っているのが特徴です。
一方、トカゲの多くは昼行性です。日中に日光浴をして体を温め、活発に動き回ります。ニホントカゲやカナヘビは、晴れた日に石の上や草むらで見かけることが多いでしょう。この活動時間の違いは、飼育する際の照明や生活リズムにも大きく関わってきます。
住んでいる場所と行動の違い
ヤモリは壁や天井、木の幹など、垂直な場所での生活に適応しています。家屋のすき間や物陰をねぐらにし、夜になると壁を移動しながらエサを探します。足の構造を活かして、高い場所でも安全に行動できるのです。
一方、トカゲは地面に近い場所で暮らす種類が多く、草地や砂地、石の下などが行動範囲です。危険を感じると素早く走って物陰に隠れるなど、地表での動きに優れています。
飼うならどっち?ペットとしての考え方
ヤモリとトカゲは、どちらもペットとして人気がありますが、飼いやすさや必要な環境には違いがあります。初めて爬虫類を飼う場合は、どんな暮らし方をする生き物で、飼い主の生活に合うかを照らし合わせて考えることが大切です。
初心者に向いているのはヤモリ?

ヤモリは比較的小型で、夜行性の種類が多く、静かに暮らすペットとして選ばれることが多い生き物です。ヒョウモントカゲモドキやクレステッドゲッコーなどは、人工飼料に慣れやすく、性格もおだやかな個体が多いため、初心者にも人気があります。
また、体が小さい分、飼育スペースをそれほど広く取らなくてもよい点も魅力のひとつ。賃貸住宅や一人暮らしでも、置き場所を工夫すれば飼育しやすいでしょう。ただし、温度や湿度の管理は欠かせません。
夜行性のため、昼間はあまり姿を見せないことも理解したうえで迎えましょう!
トカゲを飼うときに知っておきたいこと

トカゲは昼行性の種類が多く、日中に活発に動く姿を観察できるのが魅力です。フトアゴヒゲトカゲのように人になつきやすい種類もあり、触れ合いを楽しみたい人には向いています。
一方で、紫外線ライトや広めのケージが必要になるなど、ヤモリに比べて設備が増える傾向があります。体も大きくなりやすいため、成長後のサイズを考えた飼育スペースの確保が必要です。世話にかける時間や置き場所に余裕があるかを考えたうえで選びましょう。
ヤモリとトカゲ、それぞれに魅力がある!

ヤモリとトカゲは、見た目が似ていても分類や体のつくり、暮らし方に大きな違いがあります。ヤモリはまぶたがなく、壁を登れる足を持ち、夜に活動する種類が多いのが特徴です。一方、トカゲはまぶたを持ち、地面を中心に生活し、昼行性の種類が多く見られます。
飼育を検討している場合は、必要な設備やスペースをしっかりと把握しておきましょう。どちらを選ぶにしても、生き物の特徴を知り、自分の生活環境に合った飼育ができるかを考えることが大切です。
適切な準備をすれば、ヤモリもトカゲも身近で魅力的なペットですよ。

