サバンナモニターは、アフリカのサバンナや草原に生息する大型のトカゲです。温厚な個体も多く、ペットとして人気がありますが、飼育には広いスペースや専門的な設備が必要なため、初心者には難易度が高めです。
この記事では、サバンナモニターの特徴や性格、飼育ケージの選び方や食事の方法などをやさしく解説します。飼育を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
サバンナモニターってどんな生き物?

サバンナモニターは、アフリカの乾燥地帯や草原(サバンナ)に広く生息している大型のトカゲです。見た目のインパクトから「かっこいいトカゲ」として人気があります。
灰色〜褐色の体に黒い模様が入っている個体が多く、太くがっしりした体つきと長い尾が特徴です。成長すると体長はおよそ80〜120cmになり、最大で150cmを超えることもあります。
小さいうちに飼い始めても、あっという間に大きくなります。ケージはサイズアップ前提で考えましょう!
性格はおだやかでも個体差がある
性格は比較的おだやかで、個体によっては人によく慣れ、ハンドリングが可能な場合もあります。
ただし、個体差が大きく、警戒心が強かったり攻撃的だったりする個体もいます。慣れるまでは無理に触らず、じっくり距離を縮めることが大切です。
寿命は飼育下で10〜15年ほどとされており、長期にわたって付き合えるペットです。その分、毎日の世話やスペースの確保、設備への投資など、責任を持った飼育が求められます。
見た目の迫力だけでなく、観察していると仕草もユニークで、魅力の多いトカゲです。
初心者や家庭での飼育は難しい?
サバンナモニターは見た目のかっこよさから人気ですが、大型で成長が早く、温度や湿度の管理、広いケージの確保などが必要なため、飼育の難易度は高めです。
初心者が飼育する場合は、爬虫類の基本的な飼育経験を積んだうえで、しっかりと準備と情報収集を行ってから迎えるようにしましょう。
子どもがいる家庭の注意点
子どもがいる家庭では、事故やトラブルを防ぐための対策が欠かせません。サバンナモニターは驚いたときなどに噛みつくことがあり、また、サルモネラ菌などを保有している可能性もあります。
そのため、小さなお子さんがいる家庭では、ケージに近づかせないようにしたり、触れさせないようにしたりする配慮が必要です。飼育や掃除は必ず大人が行い、子どもだけで世話をしないよう徹底しましょう。
ひとり暮らしで飼う際のポイント
ひとり暮らしでサバンナモニターを飼う場合は、スペース・費用・時間の3点をよく検討する必要があります。大型のケージを設置できる住環境かどうか、温度管理のための電気代、餌代、そして毎日の世話の時間を確保できるかが重要です。
また、出張や旅行などで長期間家を空ける場合、爬虫類の扱いに慣れた人に預けるか、ペットシッターなどの手配も考える必要があります。継続して世話ができるかどうかを、あらかじめシミュレーションしておくと安心です。
飼育を始める前に、責任を持って最後までお世話できるかどうかしっかり検討しましょう。
サバンナモニターの食事と与え方

サバンナモニターは肉食性の爬虫類で、野生では昆虫、小型哺乳類、鳥類の卵などを食べています。飼育下では、栄養バランスを考慮して以下のような餌を組み合わせて与えるとよいでしょう。
- コオロギ・デュビア:主食として優秀。カルシウム補強(ダスティング)を忘れずに
- ピンクマウス・ファジーマウス:高カロリーで成長期や繁殖期におすすめ
- ウズラの卵:嗜好性が高くカルシウムも豊富。与えすぎには注意
- 鶏ひき肉(低脂肪):手に入りやすいが、栄養が偏るため他の餌と併用する
- ミルワーム・シルクワーム:補助食として使用。脂肪が多いため与えすぎないこと
- 人工飼料:栄養補助として使用。主食には向きません
野菜や果物は消化が難しく、消化不良の原因になるため与えないでください。
与える頻度と給餌時のポイント
サバンナモニターは成長段階によって必要な栄養量が異なります。ベビーからヤング期(体長約60cmまで)は成長が非常に早いため、栄養をしっかり摂らせることが重要です。
この時期は毎日給餌し、コオロギやデュビアなどの昆虫を中心に、ピンクマウスなどの小型哺乳類も適量与えるとよいでしょう。餌の量は、食べ残しが出ない程度を目安に調整します。
アダルト期(体長60cm以上)に入ると成長が落ち着くため、給餌の頻度は週2〜3回で十分です。餌の内容も、マウスや鶏のひき肉、ウズラの卵などをバランスよく組み合わせて与えるようにします。
サバンナモニターは、野生下では雨季に備えて脂肪を蓄える性質があるため、飼育下でも肥満になりやすい傾向があります。特にアダルト個体には与えすぎに注意し、体型や活動量を見ながら調整しましょう。
給餌の際は、餌を直接床に置くのではなく、ピンセットを使って与えると安全で衛生的です。置き餌はケージが汚れやすくなるため、食べ残しはこまめに取り除くようにしましょう。
どの時期でも、カルシウムパウダーやビタミン剤を餌にまぶす「ダスティング」を週2〜3回行うことで、骨や代謝の健康を維持しやすくなります。
飼育ケージは成長に合わせてサイズを選ぶ
サバンナモニターは成長が早く、最終的には体長が1メートルを超える大型のトカゲになります。そのため、飼育ケージは成長段階に応じてサイズアップしていくことが大切です。
成長段階 | 体長の目安 | 推奨ケージサイズ(幅×奥行×高さ) |
ベビー | 〜30cm | 60cm × 45cm × 45cm 以上 |
ヤング | 約30〜60cm | 90cm × 45cm × 45cm 以上 |
アダルト | 60cm以上 (最大150cm) | 120cm × 60cm × 60cm 以上 (可能ならもっと広く) |
あくまで最低限の目安です。個体の性格や活動量によっては、より広いスペースが必要になる場合もあります。ケージ内にシェルターや水入れ、バスキングライトを設置するスペースも考慮してサイズを選びましょう。
ただし、広すぎるケージは保温が難しく、ベビーが餌を見つけにくくなることも。成長に合わせた段階的なサイズ調整が理想です。
ケージの主な種類と特徴
サバンナモニターの飼育には、市販の爬虫類用ケージだけでなく、自作ケージを使う飼い主も多くいます。それぞれにメリット・デメリットがあるため、自分の住環境や管理スタイルに合ったものを選びましょう。
木製ケージ
保温性に優れており、大型種の飼育に向いています。見た目が自然でインテリアにも馴染みますが、湿気や汚れに弱いため、防カビ・防虫対策が必要です。通気口やコード穴が付いた爬虫類用の製品がおすすめです。
ガラス製ケージ
透明で中が見やすく、観察や掃除がしやすいのが魅力です。ただし保温性が低いため、保温器具をしっかり設置する必要があります。大型個体の場合は、強化ガラス製の製品を選ぶと安心です。
自作ケージ
スペースやレイアウトの自由度が高く、コストを抑えられる点がメリットです。ただし、DIYに不慣れな場合は安全面や保温性・通気性に注意が必要です。素材選びや設計に気を配り、爬虫類に適した環境を整えましょう。
サバンナモニター飼育の注意点とよくある質問

多頭飼育はできる?
サバンナモニターは縄張り意識が強いため、基本的には単独飼育が推奨されます。特にオス同士では激しい争いが起こりやすく、ケガやストレスの原因になることも。
繁殖を目的とする場合でも、交尾のタイミング以外は別々に飼育するのが望ましいとされています。
ケージの掃除はどのくらいの頻度?
清潔な飼育環境を保つことは、サバンナモニターの健康維持に欠かせません。水入れは毎日洗って新しい水に交換し、排泄物や食べ残しは見つけ次第すぐに除去しましょう。
床材は部分的にこまめに交換し、全体の入れ替えは週1〜2回が目安です。月に1度はケージ全体を消毒して、細菌やダニの繁殖を防ぎます。
与えてはいけない餌はある?
サバンナモニターは肉食性のため、野菜や果物などの植物性の餌は基本的に不要で、消化の負担になることがあります。また、人間の食べ物や調味料入りの食品はもちろん、ドッグフードやキャットフードも栄養バランスが合わず不適切です。
健康を守るためにも、自然に近い餌(昆虫・小動物・卵・低脂肪の肉など)を中心に、カルシウムやビタミンを補いながら与えるようにしましょう。
まとめ|大型トカゲ、サバンナモニターとの暮らしは“準備”がカギ

サバンナモニターは、迫力ある見た目とユニークな行動が魅力の大型トカゲです。しかし、その飼育には広いスペース、適切な設備、毎日のケアといった高い飼育環境が求められます。
特に初心者や小さなお子さんがいる家庭、ひとり暮らしの方にとっては、事前の準備と理解が欠かせません。温度や湿度、紫外線などの環境管理、成長に合わせたケージのサイズアップ、多様な餌の準備など、長期的な視点で計画を立てることが大切です。
サバンナモニターを迎える前に、「自分の生活環境で本当に飼えるか?」「10年以上責任を持って世話ができるか?」をしっかり考えてみましょう。
慣れればハンドリングできる個体もいますが、個体差があるため、慎重な接し方も必要です。じっくり向き合いながら、サバンナモニターとの信頼関係を育んでいけると素敵ですね。