「危険なヘビ」と聞くと、不安を感じる人もいるかもしれません。実際、日本には毒を持つヘビも生息しています。ただし、すべてのヘビが危険というわけではなく、多くのヘビは無毒でおとなしい生き物です。
日本本土でとくに注意が必要な毒ヘビは、マムシとヤマカガシの2種類です。野外で活動する機会がある人は、基本的な特徴や注意点を知っておくと安心でしょう。
この記事では、マムシとヤマカガシについて、見分け方や生息場所、毒の危険性をわかりやすく解説します。ヘビに出会ったときの注意点や、万が一噛まれた場合の対処についても紹介します。
日本にいる危険なヘビは?

日本にはさまざまなヘビが生息していますが、強い毒を持つ種類は多くありません。ここでは、とくに注意が必要な毒ヘビと、多くのヘビが無毒であることについて解説します。
毒を持つヘビはマムシとヤマカガシ
沖縄や奄美などの南西諸島には「ハブ」も生息していますが、日本本土で特に注意が必要な毒ヘビは、「マムシ」と「ヤマカガシ」の2種類です。
どちらも毒を持つヘビで、野外で出会う可能性があります。それぞれの特徴や見分け方、毒の危険性については、のちほど詳しく説明します。
多くのヘビは無毒でおとなしい
日本に生息するヘビの多くは無毒で、人に対して攻撃的な性格ではありません。住宅地や里山でよく見られるアオダイショウやシマヘビ、ヒバカリなどはすべて無毒のヘビです。
これらのヘビは人間を見つけると逃げることが多く、自ら近づいて攻撃してくることはほとんどありません。むしろ、人が不用意に近づいたり捕まえようとしたりした場合に、防御のために噛みつくことがほとんどです。
そのため、多くの場合ヘビは自分からその場を離れていきます。必要以上に恐れず、適切な距離を保ちましょう。
日本にいる危険なヘビの見分け方
生活していると、毒ヘビに出会ってしまうこともあるかもしれません。万が一の事故を防ぐためには、特徴を知っておくことが役立ちます。注意が必要な2種類の毒ヘビの見分け方について紹介します。
マムシの見分け方|背中の模様と三角頭

マムシは日本全国に広く生息する毒ヘビで、比較的小型ながら注意が必要な種類です。体長は40〜60cmほどで、胴体が太くずんぐりした体型をしています。
大きな特徴は背中の模様。背中にはコインのような丸い模様が並んでおり、これがマムシを見分けるポイントです。体の色は灰色や茶色っぽいことが多く、模様がはっきり見えることがあります。
また、頭は三角形に近い形で、首の部分が少しくびれて見えるのも特徴です。目の瞳孔は縦に細長く、猫の目のように見えることがあります。
動きはそれほど速くありませんが、刺激を受けると素早く反応することも。
マムシの特徴と生息場所

マムシは日本全国に広く生息している毒ヘビで、野外活動や農作業などで出会う可能性のある種類です。
草むらや落ち葉の下、石のすき間など、身を隠せる場所を好みます。田んぼのあぜ道や畑、河川敷、山林のふちなど、湿り気のある環境で見かけることが多く、人家の近くで見つけることもあります。
活動が活発になるのは春から秋にかけて。とくに気温が高くなる初夏から夏は出会いやすくなります。昼間に日なたで体を温めていることもありますが、夕方から夜にかけて活動することも多いため、草むらや水辺を歩くときは足元に注意しましょう。
マムシの毒は「出血毒」と呼ばれるタイプで、咬まれると強い痛みや腫れが起こります。症状が進むと内出血や全身症状が出ることもあり、注意が必要です。日本で起きる毒ヘビの事故の多くは、マムシによるものといわれています。
ヤマカガシの見分け方|首の後ろの模様と瞳孔

ヤマカガシはマムシよりも体が細長く、成長すると70〜150cmほどになります。体色には個体差があり、緑色や褐色などさまざまですが、首の後ろに赤やオレンジ色の模様が見られることが多いのが特徴です。
また、目の後ろに黒い模様があることもあり、これが見分ける手がかりになります。マムシと違い、瞳孔は丸く、頭の形もそれほど三角形には見えません。
ヤマカガシの特徴と毒の危険性

ヤマカガシは日本各地に生息するヘビで、とくに水辺の環境で見かけることが多い種類です。田んぼや池、小川の近くなど、カエルや小魚が多い場所に生息しています。都市の近くでも、水辺がある場所では見つかることがあります。
ヤマカガシは毒を持つヘビで、血液の働きに影響する「出血毒」を持っています。噛まれた直後はそれほど痛くない場合がありますが、時間がたってから腫れや出血などの症状が出ることもあります。症状が進むと命の危険もあるため注意が必要です。
ヤマカガシは口の奥に毒牙を持つため、浅い噛み傷では毒が入らないこともあります。しかし、深く噛まれると非常に危険です。見つけても絶対に近づかないでください。
ヘビに出会ったときの注意点

山道や草むら、川の近くなどではヘビに出会うことがあります。危険を避けるためには、ヘビに出会ったときの行動を知っておくことが大切です。遭遇したときの基本的な対応と、万が一噛まれてしまった場合の対処について紹介します。
ヘビに近づかない・刺激しない
ヘビを見つけたときは、まず落ち着いて距離をとることが大切です。多くのヘビは人を恐れており、自分から攻撃してくることはほとんどありません。しかし、近づいたり触ろうとしたりすると、防御のために噛みつくことがあります。
とくに草むらや石の近くなど、ヘビが隠れていそうな場所では注意が必要です。棒でつついたり石を投げたりすると、驚いて攻撃してきます。見つけた場合は刺激せず、その場からゆっくり離れましょう。
野外で活動する際は、長ズボンや長靴を着用するなど、足元を守る服装も役立ちます。
足元をよく確認しながら歩いて、ヘビとの接触を防ぎましょう!
ヘビに噛まれたときの対処法
万が一ヘビに噛まれてしまった場合は、まず落ち着いて行動することが大切です。慌てて動き回ると、毒が体に広がりやすくなります。
傷口は清潔な水で軽く洗い流し、噛まれた手足はできるだけ動かさないようにします。毒を口で吸い出す方法は、口の中に傷があると危険なため、行わないほうが安全です。
毒ヘビかどうか判断できない場合でも、必ず医療機関を受診しましょう。噛まれたヘビの色や模様などを覚えておくと、治療の参考になることがあります。ただし、ヘビを捕まえようとすると再び噛まれる危険があるため、安全を最優先に行動することが大切です。
まとめ|ヘビと遭遇しても、見分けられなくて大丈夫

日本に生息するヘビの多くは無毒で、人に危害を加えることはほとんどありません。ただし、マムシやヤマカガシのように毒を持つヘビもいるため、野外では注意が必要です。
とはいえ、ヘビの種類を正確に見分けるのは簡単ではありません。大切なのは、無理に近づいたり触ったりしないこと。ヘビを見つけたときは距離を保ち、静かにその場を離れるようにしましょう。
万が一噛まれてしまった場合は、落ち着いて行動し、できるだけ早く医療機関を受診してください。正しい知識を持ち、安全な距離を保つことが、ヘビとのトラブルを防ぐ一番の方法だといえます。

