砂に潜るヘビ!サンドボアの飼育と購入時のポイントを解説

サンドボアは、アフリカや中東、インドなどの乾燥した地域に住む小さいヘビです。砂からひょこっと顔を出したり、静かにかくれていたりする様子は、ほかの爬虫類ではなかなか見られない、特別な魅力があります。

この記事では、サンドボアについての基本的な情報から、飼い方や毎日のケア、繁殖のこと、そしてお迎えするときのポイントまで、はじめての方にもわかりやすく紹介していきます。

サンドボアは「砂に潜るヘビ」?

サンドボアは夜行性で、日中は砂の中に潜ってじっとして、夜になると活動を始めます。砂の中に頭だけを出して、じっと獲物を待つ様子はとても静かで優雅。

体の大きさは30〜80cmほど(種類によって異なります)。胴が太くて短い体型が特徴で、背中の模様もとてもきれいです。丸くて頭と見間違えそうなしっぽもサンドボアの魅力です。

サンドボアの「砂浴び」と間借り

サンドボアは、砂の中に潜るだけでなく、別の生物の住処を間借りする行動も見せます。これは体温調節や捕食者から身を守るための本能的な行動です。ケージ内でも床材を深く敷くことで、こうした行動を観察できます。

砂浴びは皮膚の健康維持やストレス解消にも役立っています。床材の深さや質にこだわることで、より自然な行動が見られます。

日本で人気のサンドボア3種

サンドボアは「Eryx属(またはGongylophis属)」というグループに属しており、いろいろな種類がいます。その中でも日本で人気の高い3種類をご紹介します。

ケニアサンドボア(ナイルスナボア/Eryx colubrinus)

東アフリカに生息し、全長は約60cm。オレンジや茶色の体に黒い模様が鮮やかで、卵胎生(赤ちゃんをお腹の中で育ててから産む)です。

ミューラーサンドボア(Eryx muelleri)

西アフリカから中東まで広く分布し、体長は40〜80cm。地味な体色にオレンジ色の模様で砂の中ではカモフラージュに最適。

ホシニラミスナボア(Eryx jayakari)

サウジアラビアやイラン、クウェート、オマーンなどに生息する小型種。体長は30〜40cmほどで、卵生(卵を産むタイプ)です。

サンドボアは、種類によって繁殖の方法が異なるという面白い特徴があります。

サンドボアが暮らす環境

「砂漠に住むヘビ」と聞くと、カラカラに乾いた環境を思い浮かべがちですが、実はサンドボアが住む砂漠には草木が生えていたり、オアシスがあったりして、意外と湿度がある場所も多いんです。

特に西アフリカ〜中東の砂漠地帯では、湿度が平均で50%ほどある地域もあり、サンドボアたちはそういった場所を好んで暮らしています。

「乾燥しすぎ」には注意しましょう!水入れは少し大きめにして、湿度は40~60%をキープするのが理想です。湿度が足りないと体調を崩すこともあるので、湿度計でこまめにチェックしましょう。

サンドボアの寿命と成長

サンドボアは小型のヘビの中でも、長生きする種類として知られています。飼育下では7〜15年くらい生きるのが一般的ですが、中には20年以上生きたケースもあるそうです。

成長はゆっくりで、オスよりもメスの方が体が大きくなります。体長で約1.5倍、体の太さにいたっては2倍近くになることもあります。

サンドボアは「性別Ⅱ型制(せいべつにがたせい)」というタイプで、メスの方がオスよりも大きくなるのが特徴です。

サンドボアの快適なレイアウト

サンドボアの飼育には、30〜45cm四方のケージがおすすめです。床材は専用の砂をたっぷり5〜10cm敷き、体全体が隠れるようにします。

観葉植物や流木、小枝などで自然なレイアウトを作り、隠れ家やシェルターも必須です。砂を使わない場合は、ヤシガラやココナッツファイバーも利用できますが、鱗が薄いので傷に要注意です。

床材の砂は定期的に全交換しましょう。砂が固まったり汚れが目立つ場合は早めに替えることで、皮膚病やダニの発生を防げます。

温度・湿度管理と季節ごとのケア

サンドボアの適温は昼間25〜30℃、夜間20〜24℃。バスキングスポットを設ける場合は30〜32℃程度にし、体温調節できるよう温度勾配を作ります。湿度は40〜60%が理想。特に冬は夜間の保温、夏はケージ内の温度上昇に注意が必要です。

「乾燥しすぎ」はNG!水入れは大きめにし、湿度計で40〜60%をキープしましょう。

サンドボアのエサの選び方

主食は冷凍マウス(ピンクマウスやファジーマウス)で、週1回が目安です。夜行性なので、夜間や薄暗い時間帯にピンセットで目の前に置くと反応が良くなります。

冷凍マウスは保存・管理が簡単で衛生的。生餌は食いつきが良いが、管理やコスト面で手間がかかる傾向があります。

「最初は冷凍餌を食べなかったが、ピンセットで動かしてみたら食いついた」「生餌から冷凍餌への切り替えも根気よく続ければ成功することが多い」などの成功談もあります。給餌後の食べ残しは必ず翌朝に片付けてください。常に清潔な環境を保ちましょう。

出典:wikipedia

サンドボアの病気対策

サンドボアは丈夫なヘビですが、脱皮不全や皮膚病には注意が必要です。湿度不足や床材の汚れが原因で脱皮不全が発生することがあります。

 脱皮不全が見られたら、加湿シェルターやぬるま湯での温浴で皮膚を柔らかくし、無理に剥がさないこと。症状が改善しない場合や体表に異常がある場合は、すぐに爬虫類専門の獣医師に相談しましょう。

サンドボアの飼育用品・フード徹底比較

商品名特徴・推奨シーンユーザーレビュー例
レプタイルサンド専用砂、粒子が細かく潜りやすい「脱皮不全が減った」「掃除が楽」
パネルヒーター冬場の保温に最適「温度管理がしやすい」
冷凍ピンクマウス主食用、保存が簡単「食いつきが良い」「コスパ◎」

サンドボアの購入時に見るべきポイント

サンドボアを選ぶ際は、冷凍餌に餌が付いているか、体表に傷や腫れがないか、目がクリアで活発に動くかを必ず確認しましょう。価格は一般的な個体で1万円台から、レアなモルフや大型個体は数万円になることもあります。

サンドボアの飼育に向いている人とは?

サンドボアは丈夫で手間がかからず、初心者にも飼いやすいヘビとして人気があります。特に以下のようなタイプの人に向いています。

  • 爬虫類初心者でも安心して飼える丈夫さを求めている人
  • 活発に動き回るよりも、じっくり観察するのが好きな人
  • 独特なフォルムや、もぐる習性に魅力を感じる人
  • 毎日の世話に時間が取れないが、週1〜2回のケアならできる人

まとめ

サンドボアは砂の中に潜り、静かで優雅なヘビです。正しい環境と管理を心がければ、初心者でも安心して飼育でき、長い時間を共に過ごせるパートナーとなります。

砂の中から顔を出すその瞬間を、ぜひじっくり観察してみてください。最後までお読みいただきありがとうございました☺