ニホンイシガメの飼育方法!家族やひとり暮らしの方、賃貸でも安心

ニホンイシガメは、日本に昔から暮らす親しみやすいカメです。落ち着いた性格や長寿であることから、家族で一緒に育てたり、一人暮らしの相棒に選ぶ方も増えています。

「ニホンイシガメを飼ってみたいけれど、どうしたらいいの?」
そんな初心者の方に向けて、基本の飼育方法をわかりやすくまとめました。

水槽やエサの準備、温度や紫外線の管理など、最初に知っておきたいポイントをやさしく解説。親子での飼育の工夫や、賃貸住宅でも安心して育てるための注意点もご紹介します。

この記事を読めば、初めてでも安心してニホンイシガメとの暮らしを始められますよ。

ニホンイシガメってどんなカメ?

ニホンイシガメは、日本に昔から暮らしてきた在来種のカメです。身近な川や池で出会える存在ですが、近年は数が減少しています。

まずはその特徴や性格を知って、飼うイメージをつかんでみましょう。

日本固有のカメとその魅力

ニホンイシガメは日本だけに生息する淡水ガメで、川や池、水田などのきれいな水辺を好みます。

落ち着いた茶褐色の甲羅は石に似ており、自然に溶け込むような美しさを持っています。昔から人々に親しまれてきた、日本ならではのカメです。

「ゼニガメ」という呼び名は特定の種類ではなく、子ガメ全般を指す通称なんですよ。

どのくらい大きくなる?寿命や成長の目安

性格は臆病ですが、慣れると手からエサを食べることもあります。オスは10〜15cm、メスは15〜20cm以上に育ち、寿命は20年以上。

オスとメスの違い(目安)

項目オスメス
甲長約10〜15cm約15〜20cm
体型やや細長い丸みを帯びる
寿命20年以上20年以上

環境が整えば30年以上生きることもあり、家族の一員として長く付き合えるペットです。

ニホンイシガメに快適な水槽環境の作り方

ニホンイシガメが元気に暮らすためには、陸と水の両方がある環境づくりが欠かせません。

水槽の大きさや水温・光の管理、清潔な水質を維持することが健康に長生きさせるコツです。

水槽の大きさとレイアウトの基本

水槽は60cm以上が目安ですが、成長を考えると90cmあると安心です。水深は甲羅の高さの2〜3倍程度にし、カメがしっかり泳げるようにしましょう。

陸場を必ず設け、バスキング(甲羅干し)ができる環境を整えます。レンガや市販の浮島などを使い、登りやすい傾斜を作ってあげましょう。カメは隠れ家があると落ち着きやすく、ストレス軽減につながります。

隠れ家は、植木鉢や流木を利用すると手軽に作れますよ!

ライト・温度管理で快適な暮らしを

水温は25〜28℃が理想。冬は水中ヒーターとサーモスタットで一定に保ちましょう。陸場の真上には30℃前後になるようバスキングライトを設置し、消化や代謝を助けます。

さらにUVBライトを当てることでカルシウム吸収を促進し、甲羅や骨の健康を守れます。紫外線ライトは半年〜1年で交換しましょう。光っているように見えても紫外線量は減っています。

水換えと掃除で清潔を保つコツ

カメは水をすぐに汚すため、こまめな掃除が必要です。食べ残しや糞は毎日取り除き、週1回を目安に水槽の水を3分の1ほど換えましょう。カルキ抜きした水を使い、水温は必ず合わせます。

フィルターを設置すれば水質が安定し、掃除の手間も軽減できます。また、水槽の掃除をしやすくするには、底に砂利を敷かない「ベアタンク」という飼育スタイルがおすすめです。

ニホンイシガメはなにを食べる?エサと与え方

ニホンイシガメは雑食性で、人工飼料を中心にさまざまな食材を取り入れると健康に育ちます。大切なのは「主食と補助食のバランス」と「食べ残さない量を与えること」。

ここでは基本のエサ選びと与え方のコツを紹介します。

主食にぴったり!おすすめの人工飼料

飼育に最も適しているのは市販のカメ用フードです。

人工飼料はカルシウムやビタミンなどがバランスよく配合されており、毎日の主食として安心して与えられます。浮上性や沈下性の違いはありますが、食べやすさの好みに合わせて選べば問題ありません。

人工飼料だけでも飼育は可能ですが、同じ味に飽きると食いつきが悪くなることも。そんなときは種類を変えたり、水でふやかして柔らかくしたりする工夫も有効です。

また、子ガメには栄養価の高い幼体用、成長した個体には成体用を選ぶと安心ですよ。

生餌や野菜でバランスをとる

人工飼料が主食でも、ときどき生餌や野菜を加えると食欲の刺激になり、栄養バランスも良くなります。

代表的な生餌はメダカやミミズ、冷凍アカムシなど。野菜なら小松菜やチンゲンサイといったカルシウム豊富なものが適しています。ただし、あくまで補助的に少量を与えることが大切です。

エサを与える頻度は、子ガメは毎日1回、成体は2〜3日に1回が目安。与える量は「5〜10分で食べ切れる程度」が基本で、残りは必ず取り除きましょう。

水質悪化は病気の原因になるため、食後の管理まで含めて「食事」と考えると失敗が少なくなります。

甲羅や骨の健康にはカルシウムが必要です。人工飼料のほか、乾燥エビや小松菜を少量加えると補給に役立ちますよ。

ニホンイシガメと四季を過ごす!健康管理の工夫

ニホンイシガメは四季のある日本に適応したカメ。夏の暑さや冬の寒さにどう対応するかで、健康状態が大きく変わります。

ここでは、夏・冬・春秋それぞれで気をつけたいポイントをまとめました。季節に合わせた工夫を知っておくと、安心して長く付き合えます。

夏と冬の管理ポイント

カメにとって夏は、水温の上昇が一番のリスクです。直射日光を避け、エアコンのある部屋や冷却ファンを活用して25〜30℃を保ちましょう。水換えの頻度を増やし、雑菌の繁殖を防ぐことも大切です。

冬は「冬眠させる」か「加温して冬眠させない」かの2択になります。冬眠させる場合は健康チェックをしたうえで、水温5〜10℃の安定した環境に移し、床材や水を用いて乾燥を防ぎます。

また、冬眠させない場合は、水中ヒーターで25℃前後を維持し、紫外線ライトも通年で点灯します。

春と秋の変わり目の注意

春は冬眠明けで体力が落ちているため、少量のやわらかいエサから与え始めましょう。徐々に食欲が戻る時期なので、栄養をしっかり補給することが大切です。気温の上昇とともに活動も活発になるので、日光浴も取り入れると健康を促進できますよ。

秋は冬に向けての準備期間。冬眠予定の個体は栄養を十分に与え、体力を蓄えさせましょう。一方、加温飼育の場合は、水温が下がりすぎないよう早めにヒーターを設置してください。

春秋は気温差が大きいため、体調を崩しやすい季節でもあります。水温計や温度計でこまめにチェックし、安定した環境を維持することが重要です。

家族でもひとり暮らしでも安心!飼育の工夫と注意点

ニホンイシガメは家族での飼育にも、一人暮らしの相棒としてもぴったりなペットです。ただし、飼い方や住環境によって工夫が必要です。

親子で楽しみながら育てるときの工夫や、賃貸住宅での注意点を押さえておけば、長く安心して付き合えますよ。

親子で楽しむカメのお世話と観察

親子でカメを育てることは、命の大切さや責任感を学ぶ良い機会になります。エサやりや観察、掃除などを分担すると「家族の役割」が生まれ、子どもも楽しみながら世話に参加できます。

たとえば、子どもがエサを与え、大人が水換えを担当するなどシンプルに分けるのがおすすめです。一緒に成長の記録を残せば、長寿のカメならではの「時間をかけた思い出作り」にもなります。

触れ合う際は必ず大人が見守り、触ったあとはしっかり手洗いをする習慣をつけましょう。こうした体験は自然や生き物への理解を深め、家族の会話や絆を育てるきっかけになります。

賃貸やひとり暮らしでも安心して飼う工夫

一人暮らしや賃貸住宅で飼う場合は、水漏れやにおい対策が最重要ポイントです。水槽の下には防水マットやトレーを敷き、床を守りましょう。フィルターの動作音が気になる場合は静音タイプを選ぶと安心です。掃除を怠らなければ臭いもほとんど気になりません。

賃貸契約書にペットの記載がない場合でも、念のため大家さんや管理会社に相談して許可を得るとトラブルの防止になります。

旅行や出張で留守にする際は、短期間なら水換えとエサの準備で乗り切れますが、3日以上なら友人やペットシッターに世話を依頼するのが確実です。

長期で留守にする場合、自動給餌器の使用も候補にあがりますが、水質管理までは任せられないため過信は禁物です!

家族の一員として迎えるニホンイシガメの魅力

ニホンイシガメは、日本の自然に根ざした愛らしいカメで、初心者にも飼いやすい種類です。

水槽や陸場の準備、水温や紫外線の管理、清潔な水質維持といった基本を押さえれば、安心して暮らせます。エサは人工飼料を中心に、生餌や野菜をバランス良く取り入れることで、元気に長生きしてくれるでしょう。

また、日本の四季に合わせた工夫をすれば、さらに快適な環境を整えられます。親子で育てれば命の大切さを学ぶ機会となり、一人暮らしや賃貸でも工夫次第で十分楽しめますよ。

寿命は20年以上と長く、まさに家族の一員として寄り添える存在です。日々の小さな世話の積み重ねが、かけがえのない思い出へとつながります。

ぜひニホンイシガメとの豊かな暮らしを始めてみてくださいね!

ゆかりーぬ

動物系ライター ゆかりーぬ レオパとニシアフの飼育を通じて、爬虫類の奥深さにどっぷりハマっています。初心者さんの「これって大丈夫?」に寄り添えるよう、リアルな飼育の工夫や気づきをシェアします。爬虫類との暮らしが、もっと身近で楽しくなるお手伝いができたら嬉しいです。

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