マルギナータリクガメは、特徴的な甲羅の形と穏やかな性格で人気のあるリクガメです。かわいらしい見た目から、初めてリクガメを飼う人が検討する種類のひとつでもあります。
ただし、見た目のかわいさだけで飼い始めると、大きさや寿命、飼育環境の準備などで戸惑うことも。長く健康に育てるためには、正しい飼育方法を知っておくことが大切です。
この記事では、マルギナータリクガメの特徴や飼いやすさ、迎える前に知っておきたい準備、飼育環境や食事の考え方を初心者向けにわかりやすく解説します。
マルギナータリクガメ(フチゾリリクガメ)とは?

マルギナータリクガメは、ギリシャなど地中海沿岸に生息するリクガメです。日本では特徴的な甲羅の形から「フチゾリリクガメ」と呼ばれることもあります。名前の通り、成長すると甲羅の後ろ側がスカートのように広がるのが大きな特徴です。
成体の甲長はオスで30cm前後、メスで25cmほどになることが多く、チチュウカイリクガメ属のなかではやや大きめの種類に入ります。寿命も長く、適切な環境で飼育すれば30年以上生きることも珍しくありません。
エサの時間になると近寄ってきたり、ケージの中をのんびり歩いたりする様子は、見ているだけでも癒される人も多いはず。
性格は比較的おだやかで、人に慣れる個体も多いといわれています。
マルギナータリクガメは飼いやすい?
マルギナータリクガメは、リクガメのなかでも比較的丈夫といわれており、基本的な環境を整えれば安定して飼育しやすい種類です。チチュウカイリクガメ属の仲間であるヘルマンリクガメやギリシャリクガメと並び、初心者にも知られている存在です。
また、草食性で野菜や野草を中心に飼育できるため、エサの準備がしやすいといえます。昆虫などを用意する必要がないため、初めて爬虫類を飼う人でもエサに対するハードルは下がるでしょう。
さらに飼育情報が多く、参考にできる飼育例が見つかりやすい点も安心材料です。正しい環境づくりと日々の観察を心がければ、長く付き合えるパートナーになってくれるリクガメといえます。
マルギナータリクガメを迎える前に
マルギナータリクガメは長く付き合うことになる動物です。見た目のかわいさだけで飼うことを決めてしまうと、後から環境づくりや飼育費用で困ることもあります。お迎えする前に、必要な準備や確認しておきたいポイントを整理しておきましょう。
飼育を始める前に知っておきたい初期費用
マルギナータリクガメを飼う場合、生体代だけでなく飼育設備にも費用がかかります。ベビーの価格は数万円ほどが一般的です。ケージやライトなどの飼育に必要なグッズをそろえるとさらに追加で費用がかかります。
とくに必要になるのが、ケージ、紫外線ライト、保温用ライト、温度計や湿度計など。これらは健康に育てるためには欠かせないグッズです。最低限そろえておきたい設備といえます。
また、エサ代や電気代などの維持費も継続して発生します。リクガメは寿命が長いため、長期的に世話ができるかも含めて考えておきましょう。
健康な個体を見極めよう
マルギナータリクガメを迎えるときは、できるだけ状態の良い個体を選びましょう。まず確認したいのは目と鼻の様子です。目がしっかり開いていて濁りがなく、鼻水が出ていない個体が理想です。
甲羅や体の状態もチェックしましょう。甲羅が柔らかすぎたり、大きく変形していたりする場合は要注意。手足をしっかり動かしているか、元気に歩くかも見ておきたいポイントです。
信頼できるショップやブリーダーから迎えることも大切です。可能であれば飼育環境や食べている餌についても聞いておくと、その後の飼育がスムーズになります。
マルギナータリクガメの飼育環境

マルギナータリクガメを健康に育てるためには、ケージ内の環境づくりがとても重要です。温度や湿度、紫外線などが整っていないと、食欲不振や病気の原因になることもあります。まずは基本となる環境を整えましょう。
温度と湿度のバランスを整える
リクガメは自分で体温を調整できないため、ケージ内に温度差を作りましょう。暖かい場所は35〜40℃程度、そのほかの場所は25〜30℃程度を目安にすると体温調整がしやすくなります。夜間は少し温度を下げても問題ありませんが、極端な低温にならないよう注意してください。
湿度は40〜60%程度を目安に管理します。乾燥しすぎると甲羅の成長不良や脱水の原因になり、逆に湿度が高すぎるとカビや皮ふトラブルにつながることがあります。霧吹きや水入れを使いながら環境を安定させましょう。
また、室内飼育では紫外線ライトの設置も欠かせません。紫外線はビタミンD3の生成を助け、カルシウムの吸収をサポートします。ライトはリクガメが直接浴びられる位置に設置し、半年〜1年を目安に交換すると安心です。
マルギナータリクガメに必要なケージサイズ
マルギナータリクガメはチチュウカイリクガメ属のなかでは、比較的大きく成長する種類です。幼体のうちは60cm前後のケージでも飼育できますが、成長すると甲長30〜40cmほどになることもあり、最終的には90cm以上の広さが必要です。
スペースに余裕があれば、できるだけ大きめのケージを用意しましょう。シェルターや水入れ、エサ皿などを設置すると、想像以上にスペースを使うためです。
広いケージのほうがカメもよく動きます!
マルギナータリクガメのエサと食事の基本

マルギナータリクガメを健康に育てるためには、エサの内容がとても重要です。リクガメは草食性ですが、与えるものによって栄養バランスが大きく変わります。ここでは、基本となる食事の考え方を紹介します。
基本は野草や葉野菜中心の食事
マルギナータリクガメの主食は植物です。自然界ではタンポポやクローバーなどの野草を食べて生活しています。飼育下では、小松菜、チンゲン菜、サニーレタスなどの葉野菜を中心に与えるとよいでしょう。
同じ野菜ばかり与えると栄養が偏るため、複数の種類を組み合わせて与えることをおすすめします。野草が手に入る場合は取り入れると自然に近い食事になります。ただし、農薬や排気ガスの影響を受けていない場所のものを選びましょう。
カルシウム不足を防ぐための工夫
リクガメにとってカルシウムは、甲羅や骨を健康に保つために欠かせない栄養です。体の成長だけでなく、筋肉の働きや神経の働きにも関わっています。
とくに成長期の個体ではカルシウム不足の影響が出やすく、甲羅がやわらかくなる、骨が曲がるといったトラブルにつながることも。飼育下では、野草や野菜だけで必要量を満たすのが難しいのが現実です。
そのため、エサにカルシウム剤を軽くまぶす方法がよく使われます。また、カルシウムを体に取り込むためには紫外線も重要。UVBライトを設置し、日光浴に近い環境を整えておくと安心でしょう。
マルギナータリクガメを健康に育てるために
マルギナータリクガメは、独特の甲羅の形と穏やかな性格が魅力のリクガメです。比較的丈夫な種類といわれていますが、健康に育てるためには温度や紫外線、食事など基本的な飼育環境を整えることが欠かせません。
成長するとサイズが大きくなり、長く付き合うことになる生き物でもあります。迎える前に必要な設備や費用、日々の世話について理解しておきましょう。
正しい環境づくりと日々の観察を心がければ、マルギナータリクガメは長く一緒に暮らせる魅力的な存在になるはず。これから飼育を考えている方は、ぜひ今回のポイントを参考に準備を進めてみてください。

